Salome
Richard Strauss
Opera en un acte
Livert tire du poeme d'Oscar Wilde
traduit en allemand par Hedwig Lachmann

Opera Bastille
dimanche 12 octobre 2003 a 14h30
Nouvelle production

Direction musicale, James Conlon
Mise en scene, Lev Dodin
Decors et costumes, David Borovsky
Lumires, Jean Kalman
Choregraphie, Jourii Vassikov
Dramaturgie, Mikhail Stronine

Salome, Karita Mattila
Herodes, Chris Merritt
Herodias, Anja Silya
Jochanaan, Falk Struckmann
Narraboth, William Burden
Page der Herodias, Michelle Breedt
Erster Jude, Wolfgang Ablinger-Sperrhacke
Zweiter Jude, Martin Finke
Dritter Jude, Scott Wyatt
Vierter Jude, Robert Woerle
Funfter Jude, Ulrich Hielscher
Erster Nazarener, Stanislav Schvets
Zweiter Nazarener, Nihaljo Arenski
Erster Soldat, Kristof Klorek
Zweiter Soldat, Scott Wilde
Ein Cappadocier, Jean-Loup Pagesy
Ein Sklave, Grzegorz Staskiewicz

Orchestre de I'Opera National de Paris



レオンスカヤに引き続き、14時半からはバスチーユにて新演出の「サロメ」でした。演出家ドディンはマリインスキーにてルービンシュタインの「悪魔」をゲルギエフと手かげて、シャトレのオテロなどを演出しているとか。さて今回のサロメのステージは至ってシンプルにオーソドックスなものでした。最初から幕は無く、奥まったところに木が2本立っているようなオブジェの間隙に月が昇っており、右手に宮殿の壁や通路、左手にヨカナーンの檻が。ステージ中央より左手に上へ伸びる階段があり、中央奥には地下へ下りる階段といった具合でした。照明を適宜変化をつけて幻想的なステージとしているのは典型的なサロメ演出です。ちなみにヨカナーンが登場する場面では檻が左からステージまで移動してくる仕掛でした。

ステージ設定や演出面での面白さよりも、むしろ休憩なしの100分間はコンロン素晴らしい指揮と豪華歌手達の迫真のドラマでした。カリタ・マッティラのサロメは妖艶な美しさで、ドラマチックなソプラノが素晴らしく、ファルク・シュトルックマンの端正で威厳のあるヨカナーン、クリス・メリットのヘロディアスの演技など実に充実していました。中でもアニア・シリアのヘロディアスは歌と演技は脇役とはいえ見事な出来栄え。ちなみに彼女は来年の6月にDOBでのマクロープスにも登場するとのことで、その活躍ぶりに驚かされます。なおウィリアム・バーデンのナラボートも素晴らしく、キャストの末端に至るまでの完成度には驚かされました。

演奏ではやはりサロメのヴェールの踊りが圧巻でした。マッティラがステージ狭しと駆け巡る中、オーケストラもスピードアップし、時にテンポを落として官能に迫るアンサンブルの見事さ。弦とブラス、パーカッションで盛り上がる迫力も凄いものでした。そしてフィナーレのサロメの下りではマッティラの迫真の場面となる訳ですが、ここでもオーケストラは雄弁に燃焼する様が素晴らしいものでした。



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