OPERNGALA
Saechsische Staatsoper Dresden
Semperoper


Donnerstag, 9. Oktober 2003, 20 Uhr

Ausschnitte aus Richard Wagners
Der Ring des Niebelungen

Musikalische Leitung, Christian Thielemann

Die Walkuere Erster Aufzug
Sieglinde Evelyn Hertizius
Siegmund Endrik Wottrich
Hunding Kurt Rydl

Pause

Goetterdaemmerung
Symphonische Stuecke und Schlussgesand der Bruennhilde
Faqssung Christian Thielemann
Bruennhilde Laura DeVol

Es spielt die Saechsische Staatskapelle Dresden



今日はドレスデン・ゼンパーにてティーレマン指揮によるオペルン・ガラでした。フランクフルト16:45発のドレスデン行きは、直前になって機体トラブルとなり、イスタンブールから到着した飛行機に交換することとなりました。約1時間の遅れとなりましがが、開演が20時と余裕のため、ヒルトンにチェックインして劇場へ向う余裕がありました。

さて今日のオペルン・ガラは当初予定されていたハックスリー原作の「ルーダンの悪魔」がキャンセルとなった代わりの演目。ガラは本日の1日だけで、キャンセルされた他日公演は魔笛に代わった日もあるようです。注目は6月のウィーンで圧倒的なトリスタンを聴かせてくれたティーレマン。9月のウィーンのトリスタンもキャンセルした日があるようで、今日の公演もキャンセルしないかと心配しましたが、無事振ってくれました。プログラム前半はワーグナー「ワルキューレ1幕」、後半は「神々の黄昏」のティーレマン編集版。

ステージ背景は劇場の側面と同じ白を基調とした壁にして落ち着いた雰囲気でした。ワルキューレでは指揮者左手にヴォトリッヒのジークムント、ヘルティチウスのジークリンデ、右手にリドルのフンディングといったコンチェルタンテ形式です。座席はパルケット6列目の中央でしたので、歌手の迫力がストレートに伝わり、同時にバランスの良いサウンドを楽しむことができました。

さすがにティーレマンの指揮ぶりは起伏が大きく激しいものでしたが、ウィーンで聴かせたときのように、説得力のある構築力など見事でした。嵐の場面、低弦の刻む一音一音に込められた緊張感から耳が離せない集中力でした。

ワルキューレといえば、8月のルツェルン祝祭のアバドの迫真の指揮が思い出してしまいますが、ティーレマンの描くワルキューレはアバドと比べると、むしろ地味な印象を受けました。ルツェルンのときは正に音の坩堝の放流に呑み込まれそうな迫力でしたが、ドレスデン・シュターツカペレの持ち味のためなのか、むしろ古典的に響く端正すら感じられたのが面白いところです。

ヴォトリッヒは最近、ワーグナーのヘルデン役を歌うようになったようで、今日は実に素晴らしいジークムントでした。やや重めテナーではあるものの、ティーレマンとの息のあった絶妙さでした。ヘルティチウスも線の太いジークリンデで、ヴォトリッヒとの相性がとても良く感じられたといった感じ。リドルのフンディングは声量の大きさに何時もながら感心するところで、重量感溢れる役作りを感じました。

後半はラインの夜明けと旅立ち、ジークフリートの死と葬送、ブリュンヒルデの自己犠牲といった内容で、怒涛の45分間でした。何と言ってもシュターツカペレのサウンドが魅力で、加えてティーレマンの魔力に導かれたような演奏。デヴォールのブリュンヒルデは鋭利なドラマチックさというよりも、包容力のある愛に満ちたドラマチックさに感動しました。終演は22:45でワーグナーをたっぷりと楽しめた充実感です。



[HOME]