Salzburg Festspiele 2003

Jacques Offenbach (1819-1880)
LES CONTES D'HOFFMANN

Phantastische Oper in drei Akten mit einem Prolog und einem Epilog
Text nach dem gleichnamigen Drama von Jules Barbier und Michel Carre
Salzburger Fassung
In franzosischer Sprache mit deutschen und englischen Ubertiteln

Groses Festspielhaus
Freitag, 15. August, 19.00 Uhr

Dirigent, Kent Nagano
Inszenierung, David McVicar
Buhne und Kostume, Tanya McCallin
Licht, Paule Constable
Choreinstudierung, Rupert Huber
Produktionsdramaturgie, Alain Patrick Olivier

Hoffmann, Neil Shicoff
Nicklausse / La Muse, Angelika Kirchschlager
Lindorf / Coppelius / Miracle / Dapertutto, Ruggero Raimondi
Andres / Cochenille / Frantz / Pitichinaccio, Jeffrey Francis
Stella, Ursula Pfitzner
Olympia, L'ubica Vargicova
Antonia, Krassimira Stoyanova
Giulietta, Waltraud Meier
Die Stimme der Mutter, Marjana Lipovsek
Crespel, Dan Dumitrescu
Spalanzani, Robert Tear
Nathanael, John Nuzzo
Schlemihl, Jochen Schmeckenbecher
Meister Luther, Peter Loehle
Hermann, Markus Eiche

Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor
Wiener Philharmoniker








・今日は朝チューリヒを発つときから雨が降っていましたが、ザルツも天気が悪くて久しぶりに涼しくなりました。ちょうどウィーンフィルが終わってから雨も本格的に降り出し、仲間たちとザッハーへ駆け込んで、ランチをゆっくりと楽しみました。今日はトリプルヘッダーでないのが救いです。夜までゆっくりとできました。

さて今日は祝祭大劇場7時からのホフマン物語ですが、隣りのフェルゼンライトシューレではティートが上演され、二つに分かれたウィーンフィルも大忙しといったところでしょうか。今回のホフマン物語は中々の評判のようでチケットは入手困難との噂。歌手達は、ニール・シコフ、アンゲリカ・キルヒシュラガー、ルッジェロ・ライモンディ、ルビツァ・ヴァルギツォヴァ、ワルトラウテ・マイヤー、マリアナ・リポヴシェクなどスターが勢揃い。指揮はこのところザルツブルクの常連となっているケント・ナガノとくれば大いに期待したくなります。

ステージは博物館の中での出来事に見立てて、総じてオーソドックスな重厚さが漂うものでした。マクヴィカーの奇をてらわない演出に落ち着きが感じられました。かといって全然面白くないというのでもなく、オランピアの振り付けの面白さ、祝祭大劇場の横パノラマを自然と使いこなすあたりにセンスの良さが感じられます。女性や男性のヌードが出てくるものの、演出が音楽を邪魔するといったことはなく、何と行ってもケント・ナガノ&ウィーンフィルの演奏が圧倒的に素晴らしいものでした。朝のムーティの素晴らしい指揮を聞いたばかりだと言うのに、ナガノの指揮まで極上の響きをもたらしてくれるとは本当に素晴らしい限りでした。

歌手ではキルヒシュラガー演じるミューズとニコラウスが最高に素晴らしくて、彼女の才能の凄さに驚嘆しました。マイヤー、リポヴシェクという大歌手は歌う箇所の少なさから、実に勿体無いキャスティングという印象を受けましたが、通常の劇場公演では聞けない贅沢さでした。オランピアを歌ったヴァルギツォヴァはキルヒシュラガーに次いで大喝采を受けていました。彼女を始めて聞いたのは、2000年4月23日のレナルト&新星日響との共演でした。モーツァルト、ドニゼッティ、グノー、マイヤベーア、ベッリーニと驚異のアリアの数々に目が覚める思いでしたが、その後もオペラで何度か聞き、ついにはザルツの大舞台に登場してくれたのは嬉しい限りです。さてシコフは余り調子が良くなかったのが残念です。3幕開始直前に、何時ものように歌えないことを謝るアナウンスが入ったのには驚きました。ちなみに数日前のORFニュースで、シコフ、シャーデ、ボニーらがザルツ郊外でゴルフに興じているシーンを見て、この猛暑の中を遊びすぎて公演は大丈夫なのだろうかと心配していた矢先でした。それはともかくトータルにおいて大変優れたプロダクションに仕上がっていたのには感心しました。今回もウィーンフィルの底力の大きさに驚くとともにナガノの着実な指揮に今後も大いに期待したいところです。






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