Salzburg Festspiele 2003

Debut , YUNDI LI


Schuttkasten
Sonntag, 10. August, 16.00 Uhr

Programm
Frederic Chopin (1810-1849)
Scherzo h-Moll op.20
Scherzo b-Moll op.31
Scherzo cis-Moll op.39
Scherzo E-Dur op.54

Pause

Franz Liszt (1811-1886)
Sonate fuer Klavier h-Moll S 178
tento assai - Allegro energico -
Andante sostenuto - Allegro energico

Klavier, Yundi Li






・モーツァルトマチネ終了後は昨日と同様にザッハーでワインとランチを楽しむことに。夕方4時からはユンディ・リのザルツブルク・デビューがあるので余りゆっくりとは出来ませんでした。今日も夜のオペラと掛け持ちのためタキシードで出かけましたが、こんな暑苦しい格好で猛暑の中をとても歩けません。タクシーでカルテン・ビューローまで飛ばしました。

さてチケットは完売となっていましたが、さすがにユンディ・リの人気はすごいものがあります。日本での演奏だと若い女性客が多いのに対して、さすがに音楽祭では観客の層が広いようです。演奏されるプログラムは日本公演でも組まれたというショパンの4つのスケルツォにリストのピアノ・ソナタ。日本公演ではサントリーホールなどの大きな空間で聴くのが常ですが、同じプログラムをサロンとして聞けるのは最高です。たしかイヴァン・フィッシャー&ブタペスト祝祭でもユンディ・リでショパン協奏曲を聴いたことがありますが、今日のリサイタルは今までの中でも最高の出来栄えでした。サロンという空間のせいか、リの息づかい、気合の全てが克明に伝わってくる感じ。繊細でリリカルな歌いまわしから鋼のような強靭なピアニズムまで、全てが素晴らしいものでした。

休憩を挟んで演奏されたリストのソナタ、前半のショパンの歌とは違って、研ぎ澄まされた緊張と集中力で圧倒の連続。ピアノの反響板の開口は少なめにしてあるもののシュッツカステンのライブな音響空間でリストを聴くことはスペクタクルな絵画を見ているような雰囲気にさせてくれます。鳴り止まぬ拍手に応えて中国のサンフラワー、リストのラ・カンパネッラなど3曲がアンコールされました。驚くべきはリストの後のアンコールも曲ごとにテンションを上げていき、留まることを知らないピアニズムの凄さに驚嘆するばかりでした。


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