Salzburg Festspiele 2003

Mozart-Matineen
mit dem Mozarteum Orchester Salzburg
Mozarteum
Sonntag, 10. August 2003 11.00 Uhr

Programm

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
Symphonie Nr. 26 Es-Dur KV 184 (161a)

Josef Myslivecek (1737-1781)
"Chi per pieta mi dice - Deh, parlate, che forse tacendo" Rezitativ und Arie der Sarah aus dem Oratorium Abramo ed Isacco

Wolfgang Amadeus Mozart
"Ch'io mi scordi di te" - "Non temer, amato bene"
Szene mit Rondo fuer Sopran mit obligatem Klavier, KV 505

Pause

Joseph Martin Kraus (1756-1792)
Symphonie Es-Dur VB 142

Dirigent, Marcello Viotti
Mezzosopran, Elina Garanca
Klavier, Cornelia Herrmann
Mozarteum Orchester Salzburg






・ザルツに滞在中はモーツァルトマチネを前半と後半に2度聞くパターンが定着してきました。今年もヴィオッティとボルトンの指揮で聴きます。さて今日は昨日のティートで素晴らしいアンニオを歌ったエリーナ・ガランカが登場するのが大いに楽しみです。なおモーツァルトのK.505で演奏する予定だったマルクス・フォールはキャンセルとなり、代わってコーネリア・ヘルマン嬢がオブリガート・ピアノを演奏することとなりました。

冒頭はモーツァルトの交響曲26番K.184から。第1楽章のモルト・プレストはヴィオッティの早いテンポ運びが実に爽快で、モーツァルテウムの気合の入ったアンサンブルがエネルギッシュでした。アンダンテの2楽章を経て3楽章アレグロへ。3つの楽章はあたかも一つの楽章であるかのように、一気に走り抜けたという演奏でした。

続いてガランカのソプラノとオーケストラによるミスリヴェチェクのオラトリオ「アブラモとイサコ」からレチタティーヴォとアリア。白いロングドレスで登場したガランカはアンニオ役のメーキャップよりも素顔が一番の美貌で歌も圧倒的でした。アブラハムとイサクを題材にしたミスリヴェチェクのオラトリオは実に興味深い作品です。ちなみに昨日のティートでは幕切れに登場した夫婦と子供のシーンは、アブラハムとサラの夫婦に子供イサクが神への生贄とされようとしているシーンに似ていると感じました。ガランカがサラのアリアを歌っている訳ですが、奇しくも昨日のクセイの演出が、アブラハムとイサクにヒントを得ているのではと。神からイサクを生贄とすることを許される点に注目すると、ティートの許しにも符合するところもあり興味深いです。

奇しくも話が横にそれてしまいましたが、前半のフィナーレはモーツァルトのソプラノとオブリガート・ピアノ伴奏とオーケストラのアリア「心配しなくても良いのですよ、愛する人よ」です。ちょうど座席が最前列の真中、指揮者の後でしたので、左に赤ドレスのヘルマン嬢と右に白のガランカ嬢を目前とすることになり、彼女たちの眩しさは格別でした。加えて演奏も素晴らしく、モーツァルテウムをベースに鮮やかなピアノとドラマティックなソプラノとが織り成す音楽は極上もの。時折ピアノ協奏曲を思わせるようなパッセージもあり、ピアノ伴奏リート的な要素もあり、実に多彩な音楽でした。

後半はジョセフ・マーティン・クラウスの交響曲。今日のマチネはモーツァルトと同時代の作曲家に焦点を当てているようで、クラウスのシンフォニーは短い作品ながら響きや密度の点でスケールの大きな作品でした。第1楽章アレグロ、第2楽章ラルゲット、第3楽章アレグロが一気に演奏され、躍動感と爽快感に溢れていました。ヴィオッティはオペラでは安定した指揮ぶりが印象的ですが、こういったコンサートでも安定感に加えて新鮮な感覚を与えてくれるように感じました。

以上いずれの作品も短いものばかりでしたが、休憩を含めて1時間20分ほどで終了。演奏時間が短いことと反比例して、密度の高さはかなりのものでした。特に前半のガランカとヘルマンが共演したモーツァルトは最高でした。





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