Opernhaus Zurich
DIE TOTE STADT
Oper in drei Bildern von Erich Wolfgang Korngold
Dienstag, 29. April 2003, 19.30 Uhr


Musikalische Leitung, Franz Welser-Moest
Inszenierung, Sven-Eric Bechtolf
Buehnnenbild, Rolf Glittenberg
Kostueme, Marianne Glittenberg
Lichtgestaltung, Juergen Hoffmann
Chor, Ernst Raffelsberger



Paul Norbert Schmittberg
Marietta/Marie, Emily Magee
Frank/Fritz, Olaf Baer
Brigitta, Cornelia Kallisch
Juliette, Elizabeth Rae Magnuson
Lucienne, Heidi Zehnder
Victorin, Boguslaw Bidzinski
Graf Albert, Volker Vogel
Gaston, Daniel Chait (Tanz)
Erscheinung Mariettas, Megan Laehn
Erscheinung Maries, Catherine Treyvaud
Nachtschatten 1, Reto Goetschi
Nachtschatten 2, Roberto Angeletti
Nachtschatten 3, Isabelle Ruetsche

Chor des Opernhauses Zurich
Jugendchor Opernhaus Zurich
Statistenverein am Opernhaus Zurich
Orchester der Oper Zurich




今日はベルリンを12:40発のLH5380で飛び、チューリヒ到着が14:05でした。今日のオペラは19:30開演と余裕のため、快晴の市街を散策できました。ドレスデンでは肌寒かったものの、眩しい太陽が湖に輝き、既に初夏の陽気でした。

さて今日のオペルン・チューリヒのコルンゴルト「死の都」は、シーズンプロ発表時ザイフェルトがパウルを歌う予定でしたが、早々とシュミットベルクに変更となったのは少し残念でした。とはいえ、シュミットベルクも巧みな性格描写でパウルを歌ってくれました。マリーとエリザベッタはエミリー・マギー、フランクはオラフ・ベア−、ブリギッタはコルネリア・カリッシュでした。他キャストもチューリヒ歌手陣で固め、ウェルザー・メストの迫力ある指揮とともに素晴らしい演奏でした。



第1幕は四角い空間を大きく使ったパウルの部屋から。左手にカプセル状のショーウィンドウがあり、そこにマリーの純白のかつらのような髪が飾られていました。一方、右手には大きなベッドがあり、長らく使っていなかったため、透明のシートが被せられていました。また正面には回転椅子があり、背景は四角い出窓構造。この扉が左右に開いてスクリーンが登場しますが、これがマリーの肖像画の役目を果たしていました。ちょうどパウルが過去を懐かしむ場面で、スクリーンにマリーの姿を捉えたエロティックな映像が映しだされたりしました。第1幕後半でのスクリーンはマリーがバスタブで死んでいる場面が描かれ、マリーが蘇る場面では、映像ではなく、劇中劇的なセットとして扱われていたのも興味深いところです。なおマリエッタが狂ったように官能的に踊る場面では、女性ダンサーが担当しました。

第2幕は1幕のそっけない情景から一転し、奥行きと高さのある空間にブリュージュの運河のさざなみを思わせるように、ゆらゆらとした照明が四方八方に映し出されるのが印象的でした。手前左の壁に3つの洗面台があり、右手の壁にバスタブ、正面後方に横長にガラスが張られていて、その奥に白い花が横方向にいくつも並んでいます。さらに正面上部からオブジェ的な照明が象徴的で、本物の水を張ったセットで、運河を表現していました。2幕になると1幕以上にドラマ性を帯びてくる演出と感じられました。

3幕は第2幕をベースに第1幕の大きなベッドが照明に据え付けられ、シンプルながら上手い演出効果で集中力に満ちた展開でした。マリエッタがマリーの髪を取り出す場面では、その髪をパウルの頭に被せ、パウルがマリエッタに化粧される展開が奇抜で、マリーへの幻想がパウル自身の中にあることを比喩した演出でしょうか。フィナーレはブリギッタ一人が部屋に残って、マリエッタのイメージに悶えるような様子は、とても不気味に感じました。もしかするとブリギッタに何か秘密があるのかも知れないと示唆する演出でしょうか。

各幕に休憩が入ったのはブリュージュの運河のセットの都合と思われますが、幕間をしっかりと取ることにより、結果的に短い作品をたっぷりと楽しませてくれました。ウェルザー・メストの指揮もオーケストラを十二分に響かせ、テンポを落とした演奏は、作品の深みを十分に描き出そうという趣旨なのかも知れません。

ステージのデザインはヴィーラー&モラビトによる一連のプロダクションと似ているように感じました。特に2幕はザルツブルク音楽祭での「ナクソス島のアリアドネ」を想わせます。こういったシンプルで煩雑さが無いステージは個人的に好みで、コルンゴルトの美しい限りの音楽に、パウルのテノールが伸びやかに歌う場面がとても印象的でした。今日の宿はホテル・オペラで、終演後は近くのレストランでゆっくりと出来ました。明日は早朝のTGVでパリへ向います。





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