AALTOM-MUSIKTHEATER ESSEN
Samstag, 26. April 2003, 18.00 Uhr

Richard Wagner
DIE MEISTERSINGER VON NUERNBERG


Musikalische Leitung Stefan Soltesz
Inszenierung Anselm Weber
Buehne Raimund Bauer
Kostueme Bettina J. Walter
Chor Alexander Eberle
Dramaturgie Bettina Bartz
Licht Hartmut Litzinger

Meistersinger:
Hans Sachs Franz Hawlata
Veit Pogner Marcel Rosca
Kunz Vogelgesang Hebert Hechenberger
Konrad Nachtigall Guenter Kiefer
Sixtus Beckmesser Tomas Moewes
Fritz Kothner Heiko Trinsinger
Balthasar Zorn Rene Aguilar
Ulrich Eisslinger Andre Post
Augustin Moser Martin Endroes
Hermann Ortel Peter Holthausen
Hans Schwarz Michael Haag
Hans Foltz Richard Medenbach

Walther von Stolzing Jeffrey Dowd
David Rainer Maria Roehr
Eva Anja Kampe
Magdalene Ildiko Szoenyi
Ein Nachtwaechter Almas Svilpa
Opernchor und Extrachor des Aalto-Theaters
Statisterie des Aalto-Theaters
Essener Philharumoniker



今日は朝8:16のIC2572でドレスデンを出発しました。ベルリン東に10:16に到着し、ここで10:40のICE640に乗換えました。ここからはルートを西に取り、ハノーファー、ハム、ドルトムントを経てエッセン到着が14:35でした。ICではACアウトレットが装備されていて、PCを使うのに重宝しました。ICEではシートにTVがあり、オーディオ端子に持参してきたステレオ・イヤホンを繋ぐと、シューベルトの交響曲グレートが放送されていました。素晴らしい演奏だったのでプログラムを見てみるとアバド&ヨーロッパ・チェンバー・オーケストラでした。ベルリンからエッセンまでは4時間ほど掛かりますが、ボード・レストランで車窓を楽しみながら、ゆっくりと寛げるのは最高です。エッセンにはあっという間に到着しました。

さて今日はエッセン・アルト・ムジーク・テアターでのマイスタージンガー新演出でした。ヴェーバー演出によるステージはキュービックな空間に照明効果と映像を駆使することで、とてもシンプルかつ斬新に仕上がっていました。冒頭の教会の場面からして、ステージ後方に並んだ人々を逆光によるシルエットとして扱っているのが面白いところです。




ザックスはステージ前面の傍らで思い悩んでいる様子で、彼の指示でエヴァとヴァルターが前に進み出てパントマイムを演じるのが奇抜な発想でした。そのロボットのような動きはザックスに操られる人形のようで、二人が恋により結びつこうとしたり、離れたりするのもザックスの微妙な心境によることを示唆しているのが面白いところでした。ステージ床全体が鏡になっているのも、視覚的に上下対称のデザインを作り出し、背景と上部天井に映し出される幻想的な映像とともに興味深い演出が続きました。

第2幕「にわとこの歌」では、ザックスの心境をハウラータの巧みな演技力でとても味わい深く心に迫るものでした。開演前にハウラータが風邪気味ながらも歌うとのアナウンスがありましたが、普段に比べると声の伸びともに完全ではないものの、役者になりきった上手さはさすがのものでした。彼以外のキャストは有名では有りませんが、メジャーオペラと比べても遜色ない出来栄えに驚きました。特にジェフリー・ダウドは伸びのあるテノールで見事なヴァルターを聞かせてくれました。

そしてゾルテス率いるアンサンブルがとても躍動感に富み、求心力のきわめて高いワーグナーを聞かせてくれました。前奏曲から、マイスタージンガーの動機の上昇していく刻みにアクセントを効かせ、動機自体に存在する推進力を極自然に引き出すようなアプローチでした。これが楽劇全体をバランスよく引き締め、第3幕のクライマックスまで見事な演奏が終始一貫していたのは嬉しい限りです。

シンプルながらも随所にヴェーバーの新しい解釈が込められているようで、何度かこの演出で見てみたいと思わせる面白さでした。最後のザックスをほめたたえる場面では、合唱がパルケットの左右と中央の通路に並び金管楽器も客席から壮大に盛り上げる演出はとても臨場感あるもので、劇場全体がクライマックスとなる迫力は見事なものでした。一方、ザックスは歓喜とは逆行するかのように一人思い悩む場面が印象的で、深い感動を呼びました。そういえば昨年の今頃、ベルリン・フェストターゲでのマイスタージンガーも素晴らしい盛り上がりでしたが、エッセンの新演出はそれに匹敵するか、それ以上かと思わせる内容だったことに驚いています。








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