今日はテーゲル10:50発のLHでウィーンに移動しました。乗客は少なく閑散としていました。12:30頃にウィーン市内に到着したので開演までゆっくりと出来ました。今日も快晴で春の陽気といった感じで、コートは不要です。これを予想して、今回はコートなどは持ってきませんでした。それにコンパクトな手荷物だけでしたので移動がとても楽でした。
さてベルリンでのモーツァルト2本は強烈にインパクトあるものでしたが、今日の小澤指揮のコジ・ファン・トゥッテは音楽的に素晴らしく、モーツァルトの生彩に満ちた生命力を感じるものでした。座席はパルケット1列目右の0番で、ちょうど左手に小澤の指揮を見ながら、ステージ全体を俯瞰できる良い場所でした。目の前に通奏低音のクラヴィーアがあり、その左に木管群、弦楽器群が広がり、サウンドも空間的に奥行き感のある臨場に満ちていました。
歌手たちは粒揃いでイソコスキ、コッホの二人にボンファデッリのデスピーナが光っていました。ともかく女性陣三人の歌と演技は素晴らしい限りでした。ダルカンジェロ、トロスト、シュラメクも役作りも歌も最高でした。シモーネ演出になるステージもとても美しくシックな感触の中にも味わいのあるものでした。特に中央の衝立のような壁が回転することで、背景を大きく映し出したりと変化のあるセットになっていました。
今日はメータ指揮のウィーンフィル定期が同時刻に行われていたようですが、オペラのピットにはキッヒュルを筆頭にウィーンフィルの主力で固めていて、アンサンブルも極上かつ躍動感あふれたものでした。特に小澤のメリハリ感ある音作りが素晴らしく、序曲の開始から躍動感みなぎる指揮です。序曲の29小節目から響くオーボエの転がるパッセージがウィーンフィルならではの音色とリズムで彩られており、フルートに受け継がれて行く様の心地よさは最高でした。レチタティーヴォ・アコンパニャートでのアンサンブルもさすがでクラヴィーアの調べが独特の色合いを与えていて、全てが活き活きとした感じ。
ともかくベルリンのイドメネオとドン・ジョバンニは奇怪さとパロディックさで先端を行くものでしたが、今日のようにオーソドックスにモーツァルトのピュアな世界を極上の演奏と歌手達で楽しめたのも素晴らしい限りです。今回の旅はベルリンとウィーンで上手く中和されたバランスを感じることが出来ました。明日は帰国便で移動し、そのまま仕事へ直行です。
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