Edinburgh international Festival
Janacek Quartet

The Queen's Hall Monday 12 August 11.00pm

Martinu String Quartet No 2
Dvorak String Quartet in F Op 96 'American'
Interval
Smetana String Quartet No 1 in E minor ' From my Life'

Milos Vacek, violin
Viteslav Zavadilik, violin
Ladislav Kyselak, viola
Bretislav Vibiral, cello




昨日は1日中雨で気温も低くアッシャー・ホールからの帰りのタクシー待ちでは殆どの方がコート姿でした。明けて8月12日はようやく雨も上がり次第に晴れ間も広がるようになりました。それでも日中の気温は最高で18度程度とても爽やかです。街も活気に溢れていて古い教会や情緒ある佇まいが何とも素晴らしい。天気が良いのでエディンバラ城などへも足を伸ばしたいところですが、今日は午前中にヤナーチェク弦楽四重奏団と夕方からのアバドのパルジファル初日というヘビーなプログラム。

マチネの会場となるクイーンズ・ホールは宿のクラウン・プラザからSouth Bridgeを南下してNicolson Streetを下ったところにありました。途中、パルジファルの会場、祝祭劇場(Festival Theatre)やオデオン・フィルム・センタも通過して徒歩15分ほど。小さな教会を改造したような構造になっていて外観も目立ちにくいホールでした。ロビーらしいものありませんが通路の先にカフェがあって開演前に寛ぐには便利です。ステージは白の木で出来ていて音響的にも室内楽にぴったりの感じ。

さてヤナーチェク弦楽四重奏団は毎年のように来日していて、今までも何度も聴いたことがありましたが、今日の演奏ほど素晴らしいアンサンブルは初めてでした。冒頭のマルティヌー2番のカルテットは渋く緊密感溢れる演奏。座席は最前列中央とカルテットを聞くには至近距離すぎましたが、アンサンブルの粗は全く聞こえず、彼らの息づかいの一体感、4本の弦の織り成す緊張感などがひしひしと伝わってくる演奏でした。第1ヴァイオリンのミロス・ヴァチェクは余りの集中力のためか額に汗を滲ませながらの熱演でした。

続くドヴォルザークの「アメリカ」も、これほど見事な演奏はあるだろうかというほど、一糸乱れぬアンサンブルを披露し、郷愁ただよう響きに感動するばかり。アメリカの大地を思わせる音楽も何故かエディンバラの自然にぴったりと不思議なほどマッチしているように思えました。第1ヴァイオリンの旋律線に第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロも雄弁に語りかけ、大いに心に染みる演奏でした。

後半はスメタナの「わが生涯」。さすがにパッションに満ちたアンサンブルは重厚で熱いものがありました。前半からの集中力は全く衰えることなく、ますます白熱する演奏に驚嘆しました。アンコールはドヴォルザークの小品を。ともかくヤナーチェクSQは来日公演で聞く機会は多いものの、今日のような名演奏をエディンバラで聴けたことは最大の収穫でした。なお本日の演奏はBBCラジオでライブ放送されていました。明日も同じ演奏があり、そちらはTV収録されて8月下旬にBBCで放映されるそうです。

終演後は近くの公園を散歩。とても気持ちが良くて街をもっと探索したいものです。途中見つけたお洒落なフレンチ・レストランでゆっくりと過ごし、夕方のパルジファルに備えることにしました。





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