Edinburgh international Festival
The Opening Concert

Usher Hall Sunday 11 August 8.00pm

Lutoslawski
"Concert for Orchestra"
Intrada: Allegro maestoso
Capriccio notturno e Arioso
Passacaglia, Toccata e Corale

Berlioz
"Te Deum" Op 22 for tenor solo, double chorus,
organ and orchestra
1.Te Deum - Hymne
2.Tibi omnes - Hyme
3.Dignare - Priere
4.Christe, rex gloriae - Hymne
5.Te ergo quae sumus - Priere
6.Judex crederis - Hymne et priere

Philharmonia Orchestra
Christoph von Dohnanyi conductor



8月11日は早朝5:30にホテルをチェックアウト。昨日は天気も回復に向かうかと思っていた矢先、今日も再び雨になっていました。あまりに強雨なのでタクシーでインスブルック駅へ。切符を買って6:14発のミュンヘン行きの列車に乗車。この列車はイタリア、アンコーナから出ている為か、かなり混み合っていました。先頭車両に空席があるとの車掌のアドバイスで移動して席を確保。ミュンヘン到着が8時半でした。空港へ移動し、予定通り10:20発のヒースロー行きのLHに搭乗。フライトも後半、乗り継ぎ便の時間が気になってきました。次の搭乗は12:20ですが、未だにロンドンに着く気配なし。かなり焦りましたが、ようやくヒースロー着陸時にロンドン時刻11:12とのアナウンスがありました。これで時差1時間バックしたことを知ってホッとしました。しかし国内便のターミナル1へはかなりの距離を歩かなくてはならず、パスポートコントロールを経て大分時間が掛かりました。かくして12:50発のLH6512便に搭乗しエディンバラ到着は予定通り14:10でした。ちなみにこの便はLHの便名が付いていますが、bmi britisch midlandによる便で、食事も英国風で美味でした。空港からはタクシー30分ほどでエディンバラ市内のホテルへ。料金はチップ混みで15ポンド程度でした。それにしても雨で肌寒い天気でした。外に出る気も起こらず、まずはメールチェックでもしようとPCを取り出したものの、ホテルの電源コンセントを見てびっくり。いわゆるドイツとかフランスで使われているタイプではなく、無骨で大きな端子が3本のもの。ホテル・デスクで変換コネクタを借りれたので、無事PCに電源が入り、インターネット接続も極めて簡単に行きました。


さて本日の公演はエディンバラ国際フェスティバルの開幕コンサート。会場となるアッシャー・ホールは外観が円形ドームのような構造になっていて、内部も大きなオルガンを正面に壮麗なホールでした。座席はパルケットでしたが、ステージが高いため、とても見やすく音響も抜群。ロビーも円形廊下に沿った形となっていて、正面に向かって右側がドリンク・コーナー、左側がカフェ・コーナーと分かれているのも機能的でした。

演奏はクリストフ・ドホナニ指揮のフィルハーモニア管弦楽団で、プログラムはルトワフスキ「管弦楽のための協奏曲」にベルリオーズ「テ・デウム」でした。冒頭からホールの音響がとても素晴らしいことに感嘆しました。伸びのある弦に重量感たっぷりのブラス、それにティンパニの強烈な連打が壮大な空間に響くときの圧倒的サウンド。イントラーダのアレグロ・マレストーソの荘重なアンサンブル、カプリッチョの躍動、そしてパッサカリアの絶え間なく流れるポリフォニーなどなど、全ての響きが魅力的で、久々に快心のルトワフスキが聞けたという充実感でした。なおこの作品には合唱は登場しませんが、ステージ正面には合唱団員も座って演奏を聴いていました。単に合唱団員も一緒に聞くという意味以上に、音響的な意図があったのかも知れません。というのも実にマイルドなサウンドでしたから。

後半は開幕コンサートの祝典的気分を満喫するかのようにベルリオーズの「テ・デウム」。昨年の歌劇「トロイ人」、今年の東京の夏「幻想+レリオ」とベルリオーズを聴く機会が増えてきましたが、ここに来て上演されることの少ない「テ・デウム」を聞けるのは嬉しい限りです。この演奏も冒頭からフル・オーケストラの怒涛のサウンドと大オルガンの壮大さが交互に押し寄せ、圧倒的な始まりでした。ひとえにホールの音響の素晴らしさがパワフルな演奏を引き出す効果があるようで、フィルハーモニアの低力が溢れ出すといった感じでした。合唱はオーケストラ後方からオルガンの高みに至る座席を全て埋め尽くす壮大さ。まるでマーラーの千人の交響曲をも越えるようなスケールの大きさでした。左右の2重合唱に振り分けて、底辺に少年合唱を配したサウンドもクリアー。テノールのドナルド・カーシュも壮大な音響に埋没するかと心配しましたが、彼の伸びのあるソロもくっきりと浮かび上がり、とても立体的なサウンドを体験できました。日本公演でも聞かせたことのない痛快なアンサンブルはエディンバラ・インターナショナル・フェスティバルという独特の環境が生み出した賜物ではと思うほど素晴らしい演奏でした。

さて今回はザルツブルク音楽祭のパトロンに加えて、エディンバラもパトロンになりました。ザルツブルクの場合はパトロン名簿を別に配布されますが、エディンバラの場合は、パトロン名簿が全公演プログラムに載るようになっており、小生の名前も載っていました。プラチナ・パトロンは17名、パトロンは93名とザルツブルクに比べるとかなりメンバー数が少ないようですね。歌手のトーマス・アレンもパトロンのようです。


[HOME]