今日はバスティーユで来シーズンのプログラムを貰ってきました。既にインターネットに公開済みですが、やはりブックレットのほうが見やすいですね。なおfnacというCDショップで試聴しながらCDを幾つか買いました。まずヴィヴィカ・ジュノー&ルネ・ヤーコプス&ベルリン古楽のファリネッリのためのアリア。惚れ惚れとするメゾソプラノで、この店のヒット1にランクインしていました。次に秋山&東京交響楽団の「ヤコブの梯子」。これは実演で聴いたライブ録音で、naive社のMONTAIGNEシリーズの1枚です。日本でも発売されているようですが、15ユーロとこちらの方が安いです。ついでに同シリーズのアルデッティ・カルテットによるのシェーンベルクSQ。ドーン・アップショウが共演している2枚組み。あとはアイヴスのコンコルドソナタにモザイク・カルテットのハイドンでした。
さて今日のオペラはドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」でした。初演は1902年4月30日にパリ・オペラ・コミックで、ちょうど100周年を記念して同じ日の同じ時間で、しかも同じ場所でミンコフスキー&マーラーチェンバーにより上演されました。チケットは1年ほど前確保しておきましたが、小さな劇場なのでチケットはすぐに完売したと思われます。
オペラコミックはオペラ・ガルニエから歩いても10分も掛からないところにあり、通りに面して路地に入ったところに正面玄関がありました。とても小さな劇場ながら、外観は大理石の重厚さで、とても立派でした。座席は2階のバルコニーでステージまでとても近く、臨場感豊かな響きに感動しました。
さてメリザンドは今年のザルツでも活躍するコジェナーで、さすがにその美貌は歌とともに光っていました。ジュヌヴィエーヴにナタリー・シュトゥッツマンが歌ってくれたのは嬉しい限りです。彼女は日本公演でもリートを聴くことがあっても、オペラを聞く機会が少ないので、貴重な体験となりました。そしてミンコフスキーの指揮も驚くほど活力に満ちていて、このオペラは決して印象派というイメージではなく、フランス風の色合いでワーグナーの楽劇に合い通じるところを感じさせてくれます。オーケストラも実に強力なアンサンブルを展開し、モチーフが重なりあう時の透明感も素晴らしく、シンフォニックな音響空間はとても手ごたえがあります。ミンコフスキ&マーラー室内の今年秋の来日がとても楽しみです。夜8時に開演し、3幕の後に20分間の休憩を1度入れただけで、終演は11時40分。とても熱い名演奏でした。
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