Staatsoper Unter Den Linden Berlin
FESTTAGE 2002

Richard Wagner
Parsifal
28 April 2002, 16.00 Uhr

Musikalische Leitung Daniel Barenboim
Inszenierung Harry Kupfer
Buehnenbild Hans Schavernoch
Kostueme Christine Stromberg
Choreinstrudierung Eberhard Friedrich
Dramaturgie Manfred Haedler
Amfortas Falk Struckmann
Titurel Kwangchul Youn
Gurnemanz John Tomlinson
Parsifal Rbert Gambill
Klingsor Guenter von Kannen
Kundry Waltraud Meier
Gralsritter Peter-Juergen Schmidt,
Alexander Vinogradov
Knappen Daniel Bruera, Simone Schroeder,
Peter Menzel, Andreas Schmidt
Blumenmaedechen Tina Schlenker, Carola Hoehn,
Daniela Bruera,
Barbara Rozenkiewicz
Kind Lukas Ehrig
Altsolo Simone Schroeder
Staatsopernchor
Staatskapelle Berlin



さて今日はフェストターゲ最終日のパルジファル。一昨日のトリスタン、昨日のマイスタージンガーと2演目連続しただけでも、かなりの手ごたえを感じる。チクルスで見られている方はさらに感動の連続ではないだろうか。そして感動は今日でピークに達するに違いない。バレンボイムも歌手もオーケストラも、最終日ということで、きっと素晴らしい演奏が期待できそうだ。

今年は、既にパルジファルをコンヴィチュニ演出とシュタイン演出の二つを見ているが、やはり今日見たクプファー演出も素晴らしかった。歌手も演奏も、もはや言葉を失うほどの素晴らしさだった。

パルジファルといえばザルツブルク音楽祭でのゲルギエフ&ウィーンフィル&W.マイヤーが忘れられぬ名演奏だったが、バレンボイムのパルジファルは深みの点において遥かに上回っていたのではないだろうか。前奏曲から最終場面まで、一字一句、音符のひとつひとつが説得力をもって語りかけてくる感じだった。モチーフ間の意外と長いパウゼもリーズナブルな意味を持っていたし、パッセージの流し方一つをとっても、慣性力によって自然と流れていく巧みさ。各パートが一体に溶け合ったサウンドの妙はもはや言葉では形容できぬ素晴らしさだった。

クプファーの幻想的かつシンプルな舞台も大いに見所で、壮大な神聖劇に極自然に引き込まれていくのみ。トムリンソンのグルネマンツも滋味豊かに語りかけ、シュトルックマンのアンフォルタスは最高に素晴らしい。もちろんマイヤーのクンドリーはもはや比べるものがないかのように最高だった。ちなみにクンドリの第2幕での衣装はマイヤー仕様になっていて、彼女しか着こなせない色っぽさに悩殺されてしまう。ギャンビルのパルジファルも実に安定していて、抑揚ある輝かしさとともに感動的だった。

このステージはBSで放送されたこともあり、巨大なハッチや、鏡面のような巨大な壁が実にメカニカルで象徴的だったが、ライブでみるとその迫力は凄い。しかもドラマの進行がとてもスムーズで、幻想と神秘の世界にのめり込む感じだった。

第1幕が終わって、暫くしてから、拍手がパラパラと出始め、これに対して「しーっ」という制止が入る。しかし歌手達が列になって幕から登場し、再度大きな喝采となった。カーテンコールではマイヤーはさすがに最大の喝采となり、登場したクプファーにブーイングが出ていたのも面白かった。



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