Staatsoper Unter Den Linden Berlin
FESTTAGE 2002

Richard Wagner
Die Meistersinger von Nuernberg

27 April 2002, 16.00 Uhr

Musikalische Leitung Daniel Barenboim
Inszenierung Harry Kupfer
Buehnenbild Hans Schavernoch
Kostueme Buki Shiff
Licht Franz Pter David
Choere Eberhard Friedrich
Choreographie Roland Giertz
Dramaturgie Manfred Haedler, Walter Roesler
Hans Sachs Robert Holl
Veit Pogner Rene Pape
Kunz Vogelgesang Gunnar Gudbjoernsson
Konrad Nachtigall Klaus Haeger
Sixtus Beckmesser Andreas Schmidt
Fritz Kothner Hanno Mueller-Brachmann
Balthasar Zorn Peter-Juergen Schmidt
Ulrich Eisslinger Andreas Schmidt
Augustin Moser Peter Menzel
Hermann Ortel Bernd Riedel
Hans Schwarz Bernd Zettisch
Hans Foltz Friedrich Molsberger
Walter von Stolzing Reiner Goldberg
Dvaid Stephan Ruegamer
Eva Emily Magee
Magdalene Katharina Kammerloher
Ein Nachtwaechter Alezander Vinogradov
Saatsopernchor
Staatskapele



昨日の昼間は快晴になったものの、今日は朝からどんよりとした曇りで寒い。昨年の今頃は陽光が眩しい初夏のベルリンであったのと対照的。道行く人々はコート姿が多いが耐えられないほどの寒さではない。それでも土曜ということもあってか、ホテル近くのKaDeWe周辺は大いに賑わっている。

午前中にベルリン・ドイツ・オペラで来シーズンプロを貰いに行く。Webでは未だ発表されていないが年間スケジュールは既にプリントされていた。新演出オペラは5本。そのうちサロメでは、ルネ・コロがヘロデを歌い、スーザン・グラハムがサロメというのが面白そう。イドメネオはノイエンフェルスの新演出でツァグロセクが指揮する。ナブッコもノイエンフェルス演出。レパートリーはさすがにゲッツ・フリードリヒ演出が多く、ボリス・ゴドノフ、青ひげ、アイーダ、仮面舞踏会、エフゲニー・オネーギン、オランダ人、タンホイザー、ローエングリン、パルジファル、リング(10,12,15,18,20,21,23,25 Jan 2003)、トリスタン、ばらの騎士、ルイザ・ミラー、椿姫が上演される。ティーレマンはタンホイザー、トリスタン、リングとワーグナーに専念する。

午後は昨日にベルリン入りしたお友達とランチをご一緒し、マイスタージンガー開演までのんびりとする。ホテルに戻り、上手く行かなかったインターネット接続に再びトライした。電話機にはモデムジャックが装備されているが、ここに接続してパソコンから0発信してもダメだった。試しに電話機の受話器を上げて”0”をダイヤルしてから、パソコンから直接発信してみた。すると上手く繋がった。電話とモデムジャックが単純にORになっていたから上手くいったのだろうか。今まで溜まっていたメールを受信するのは時間が掛かった。それに自宅ではADSLに慣れているので、久しぶりの電話モデムはさすがに遅い。



さてクプファーのマイスタージンガーは2000年の5月1日に見ていたので、今日は2度目となる。あの時はヴィーグルの超快速テンポの指揮にマイスタージンガーらしさを感じることが出来なかったが、さすがにバレンボイムの指揮は素晴らしい。指揮次第でこれほどに見違えるとは。アンサンブルも昨日のトリスタンと同様に調子が良いし、とにかく伸び伸びとしていて厚味のあるサウンドがとても心地良い。

キャストは前回とほぼ同じだったが、アライサはキャンセルとなり、代わってライナー・ゴールトベルクがヴァルターを歌った。風貌はヴァルターにしては年齢オーバーだったが、生彩に満ちた素晴らしさは、アライサ以上だったと思う。というのも前回に聞いたアライサのヴァルターは全く冴えを感じられなかったからで、今回の第1チクルスも不調だったと聞くので。開演前のキャスト変更のアナウンスに対して盛大な喝采があったのは、そういったことも関係しているのかも知れない。

前回のエヴァはカローラ・ヘーンだったが、今回はエミリー・マギーだった。舞台は、昨日のトリスタンと同様に、ステージ中央に設置されたタワー状の建造物が回転しながら、面の変化で場面を演出する趣向だ。視点がほぼ中央に定まり、登場人物の幾何学的対比がストーリー上の関係をすっきりと浮かび上がらせ、総じて楽劇への求心力を高めていたのはさすがと思わせる。クプファー流に背景に高層ビルディングが顔をのぞかせるのは、昔と今の垣根を取り払って、ニュルンベルクという田舎の昔物語だけに留まらないで、現代の人にも当てはまるというリアリティを感じさせてくれるようだった。

第3幕の賑やかさはさすがに見ていて大いに高揚感を与えてくれた。ザックスはシュトルックマンを是非聞きたいところだが、前回同様にロベルト・ホル。実のところ、前半はルネ・パペのポーグナーが素晴らしすぎて、ホルも色あせ気味だったが、3幕に掛けて、さすがに素晴らしいザックスとなり、大いに盛り上がった。

フィナーレは劇場も狭しと盛り上がったが、理路整然と展開するすっきりさにクプファーの上手さを感じたし、ますます絶好調なバレンボイムとオーケストラに驚嘆した次第。今日もまたまた興奮のワーグナーだった。




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