OSTERFESTSPIELE
SALZBURG 2002
Berliner Philharmonisches Orchester
Samstag, 30. Marz, Groses Festspielhaus 18.30 Uhr


MENDELSSOHN Symphonie Nr. 3 a-moll, op. 56
"Schottische"
***
Richard STRAUSS "Ein Heldenleben" op. 40
Dirigent Mariss Jansons





ヤンソンスは、2月にピッツバーグ響と来日公演を二つ聴きいたばかりだったので、ベルリンフィルとの共演も大いに期待される。プログラムはメンデルスゾーンのスコットランドとR.シュトラウスの「英雄の生涯」。コンサートマスターはブラウンシュタインで、他のメンバーも今日のプローベとほぼ同じ布陣だった。

メンデルスゾーンでは、プローベのブルッフで聞かせたようなメリハリを想像していたが、とてもオーソドックスな演奏だった。ロマン派というよりも古典派を感じさせるかのように、緻密なアンサンブルがとても素晴らしかった。それでもこの曲は北の薄曇を感じさせる為か、ちょうどヤンソンスがオスロフィルを指揮するように、ベルリンフィルから北欧情緒ゆたかな響きを引き出していた。渋い響きながらも仄かなロマンを漂わせ、情熱が漲ってくる。楽章を追う毎にヴォルテージを高め、終楽章ではヤンソンス流のドライブが効いた盛り上がりを聴かせた。

後半の「英雄の生涯」はスケールの大きな曲だけに、どのような演奏になるのか楽しみが尽きない。前半のスコットランドの渋さに対して、英雄の壮大さを聞かせるかのように、とてもドラマティックな演奏になった。冒頭のコントラバス、チェロ、ヴィオラにホルンが聞かせる英雄のテーマに釘つけとなる。もうこの時点でヤンソンスの気合は聴き手を掴んだまま離さない。R.シュトラウス一流の作曲技法のひとつひとつがヴィジュアルに見えるかのような見通しの良い演奏で、それでいて自然さに満ち溢れている。英雄の敵を示す木管群の素晴らしい実体感。こういったパッセージにもベルリンフィルの上手さを感じるが、ブラウンシュタインのソロ・ヴァイオリンの艶やかで伸びのある演奏も聞き物だった。英雄の戦い以降、大きなクライマックスを作る場面では、ヤンソンスのコントロールとオーケストラの自発性のバランスがちょうど上手く行っているように、ベルリンフィルが大いに伸び伸びとしたアンサンブルを爆発させる。実にエキサイティングで、フィナーレの回想を慈しむかのような情感の高まりも素晴らしかった。




Fuer die Foerderer der Salzburger Osterfestspiele 2002

JOHANN SEBASTIAN BACH
Messe in h-moll BWV232
Veronique Gens(Sopran)
Anne Sofie von Otter(Messo)
Charles Workman(Tenor)
Simon Keenlyside(Bass)
Franz-Josef Selig(Bass)
Schwedischer Rundfunkchor
Solisten der Berliner Philharmoniker
Claudio Abbado
Konzertmischnitt: Osterfestspiele Salzburg,1999




GUSTAV MAHLER
Symphonie Nr.7
Berliner Philharmoniker

Claudio Abbado
Konzertmischnitt: Philharmonie Berlin, 2001