Berliner Philharmonisches Orchester
unter Nikolaus Harnoncourt








Samstag 28. April 2001 20 Uhr

Musik ist Spas auf Erden

Nikolaus Harnoncourt ,Dirigent
Gerald Finley ,Bariton


Wolfgang Amadeus Mozart: Ein musikalischer Spas KV 522
("Dorfmusikanten-Sextett")
Allegro
Menuetto: Maestoso
Adagio cantabile
Presto

Ludwig van Beethoven: Zwei Konzertarien
>>Mit Maedeln sich vetrtragen<<
>>Pruefung des Kuessens<<

Wolfgang Amadeus Mozart: Zwei Konzertarien
>>Un bacio di mano<<KV541
>>Rivolgete a lui lo Sguardo<<KV584

Joseph Haydn: Symphonie Nr. 82 C-Dur ("Der Bar")
Vivace
Allegretto
Menuetto
Finale: Vivace


昨年の旅では出発日当日にDOBで魔笛を聞いたが、今回はコンサートなので睡眠不
足もさほど気にならない。ホテルに着いてから、スーツケースを広げたりする余裕も
あり、開演30分ほど前に出かけることにした。外は小雨が降っていたが、夕暮れの
明るさの中、天気は雨から晴れに向かっている雰囲気が漂う。さて信号を二つほど渡
るともうフィルハーモニーに到着した。

ベルリンフィルをアルノンクールが振るとなれば、やはり何か面白いことがありそう
だと誰しもが思う。プログラムも「音楽はこの世の冗談」シリーズのもと、モーツァ
ルトの「音楽の冗談」などが並んでいる。で、最初のモーツァルトでは室内アンサン
ブルに2本のホルンが指揮者の右に座った。音合わせの時から、ホルンからブリキの
ような変な音が聞かれたが、演奏中もこの2本のホルンの音狂わせに冗談が走る。

アルノンクールも指揮というよりかは役者さながらの演技に興じているし、各奏者を
順番に立たせながら演奏を続ける。まとにかく、会場からくすくすと笑いが飛び出す
わ、音楽の拍子抜けにとても愛嬌があった。それにしても小編成のアンサンブルの上
手さは格別で、古楽風のニュアンスがことのほか軽快。快活感も一杯の演奏だ。安永
氏のソロは譜面台の前に立って演奏するが、アルノンクールが音符を異常に長く演奏
させるので、音楽が全然終わらない。これに安永氏がクレームをつけに行くという場
面もあり、全く爆笑の音楽だった。

ベートーヴェンとモーツァルトのコンサートアリアは当初ハンプソンが歌うはずだっ
たが、フィンレイに代わっていた。やや残念だったが、フィンレイの歌も結構歯切れ
が良くて、素晴らしかった。やはりアルノンクールの音楽はテンポが良くて、きびき
びしたところが良い。オーケストラの編成も最初の室内アンサンブルからいわゆる通
常の編成、それでも小編成だが、アンサンブルの上手さはやはりベルリンフィル。ヴ
ィオラには清水直子さんもヴィオラの第1プルトに登場していた。左右にヴァイオリ
ンを広げた編成で音のパノラマ効果もあってか、歌とオーケストラがとても立体的に
聴こえた。

ハイドンのシンフォニーもアルノンクールが振るとさすがに素晴らしい。古楽風アン
サンブルと良く言われるが、それ以上に生彩さや鮮烈さに充ちているし、ベルリンフ
ィルのテクニックを上手く活かし切るところが素晴らしい。指揮棒を持たないアルノ
ンクールの掌握力も凄いし、興奮を呼び起こすハイドンだ。フィナーレの畳み込みの
素晴らしさのためか、最後の音符の一つ前で会場から拍手が湧き出してしまった。ア
ルノンクールを聴く楽しみのひとつは「冗談」と思わせる演奏会だった。