Wintertraume / Musikverein
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Internationaler Orchester-und Chor-Zyklus
5.Konzert

Grosser MusikvereinssaalGesellschaft der Musikfreunde in Wien
Grosser Musikvereinssaal
Samstag.24.Februar 2001, 15.30 Uhr

Wiener Philharmoniker
Damen des Wiener Singvereins

Kuenstlerische Leitung: Johannes Prinz
Wiener Saengerknaben
Kuenstlerische Leitung: Norbert Balatsch

Dirigent
Pierre Boulez

Solisten
Anne Sofie von Otter, Mezzosopran

Gustav Mahler :Symphonie Nr.3 d-Moll



●日記編(2/24)

今日はいよいよアバドの第九とブーレーズのマーラー3番。午前中はのんびりと休む
ことにする。とりあえず昨日のダイアリを作成する。インターネットに接続しようと
したが、なかなか繋がらない。試しにザルツブルクにアクセスすると簡単に接続でき
た。ということでダイアリをアップする。この時、接続ソフトが新しい情報をダウン
ロードするかと聞いてきたので、OKをクリック。その後、分かったことだが、これ
でウィーンのアクセスポイントにも繋がるようになった。

そうこうしている内に時間が経ってしまった。まずはCDでも探しに行く。あまり遠
出は出来ないので、ケルントナー通りのEMIに行く。余り品数が無い。とりあえず
ルイージ指揮NTO(ニーダーエストライヒシェス・トーンキュンストラー・オーケ
ストラ)のブルックナー7番が1600円程度で売られていた。1998年ムジーク
フェラインの録音だ。他にも珍しいCDがあるが、ここの店は高いので、これ1枚に
する。

例によってオペラ座横のアルカディアで、オペルン・グラス2月号にオペルン・ヴェ
ルト3月号をゲット。オペルン・グラスはカレラスの表紙で、オペルン・ヴェルトは
マンハイムからバイロイトまでのワーグナー上演をめぐっての特集。今は時間がない
ので、あとでゆっくりと楽しむことにする。これにランチをゆっくりと取ったので、
もう時間切れ。



●演奏会編


かつてブーレーズ&ウィーンフィルのマーラー「大地の歌」を聴くはずだったが、彼
のキャンセルしてケント・ナガノが振ったことがあった。それ以来ブーレーズのマー
ラーは是非とも聴きたいと思っていただけに、今回のマーラー3番はまたとないチャ
ンスだ。これを逃すとブーレーズ&ウィーンフィル&マーラーというパターンを当分
聴けないのでは。というわけで大いに期待して開演を待つことする。座席はパルテレ
・ロジェ1列目の中央通路側。ここは紀尾井ホールのBL列に相当していて、舞台が
ちょうど目線の位置で視界良好。それに音響も素晴らしい。

第1楽章、冒頭の8本のホルンの第1主題はやや音程がズレ気味となり、アンサンブ
ルに安定感を欠いてしまった。もちろんウィンナ・ホルンの独特の音色と響きの豊か
さはそのままだが、ホルンばかりでなくアンサンブル全体が今ひとつ引き締まらない
ように感じた。

ヒンクのソロも美しい限りだが時折上ずり加減となったのは耳のせいかと感じる個所
が幾つか。単に音が外れたりするのは小生余り気にはならないが、緊張の糸が張り切
れていないというか、音楽に求心力が感じられないのは困りもの。ブーレーズという
巨人のもとであっても、こんな音楽なのかと疑いたくなる。

このように感じるのも数年前に聴いたアバドBPO定期のマーラー3番の凄さが未だ
耳にある為かも知れない。いかにムジークフェラインのウィーンフィルであってもあ
のベルリンフィルの壮大な演奏には敵わない。今日のウィーンフィルは未だゲネプロ
といった模索状態のようにも見受けられるが、ベートーヴェン・チクルスのBPOに
本拠を乗っ取られたというようなプレッシャーがあるのでは疑いたくなる。事実、今
はアバド&BPO旋風がウィーンフィルを凌駕している勢いだ。

とは言うものの、そこはさすがウィーンフィル。ムジークフェラインを奏でることに
かけては右に出るものは居ない。柔らかな響きで壮大にホールが鳴るときの素晴らし
さはやはりウィーンフィルならでは。管楽器の独特の響きもしかり。第2楽章のオー
ボエ、もちろん第3楽章の角笛は得も言えぬ美しさだった。男性および女性奏者によ
る2台のハープの神秘的な調べも実に魅力的だ。

第4楽章でアルトと合唱が登場する。紫のロングドレス姿のオッターは長身のせいも
あるが、さすがに存在感満点。その美声もまたしびれるほど美しく神々しい。このあ
たりから音楽は俄然と引き締まる。あとはもうひたすらマーラーの世界に浸るだけ。
指揮棒を持たないブーレーズの指揮はシンプルで必要十分といったところで、オーケ
ストラから深い音楽を導く。終楽章、特に最後のクライマックスはムジークフェライ
ンを揺るがすほどに盛り上がった。会場は盛大な喝采とはなるものの、昨日のポリー
ニ&アバドBPOの熱狂までには至らない。それにしてもブーレーズのマーラー3番
は起伏が大きくて積極的な演奏と感じた。半年に聴いたマーラー6番と同様に手応え
十分だった。明日もう一度、聴くチャンスがあるので大いに期待したい。