08/07 ザルツブルク音楽祭『スダーンのモーツァルト・マチネ』

ザルツブルク滞在8日目。今日は11時からモーツァルテウムのマチネ。16:30から再びモーツァルテウムでアカデミア・ピアニスティカ、19時から待望の「ボレアデ」を聴く。今日の朝は珍しく曇り空で肌寒く感じる。モーツァルテウムでの座席は偶然にも昨晩のポリーニの時と同じ席だった。ここに座ると昨晩の感動が蘇ってきた。

MOZART-MATINEEN
Samstag, 7. August 1999, 11.00 Uhr, MOZARTEUM

Joseph Haydn
Symphonie D-Dur Hob.I:6 "Le martin"

Wolfgang Amadeus Mozart zugeschrieben
Sinfonia concertante KV297b fuer Floete , Oboe, Horn, Fagott

Pause

Wolfgang Amadeus Mozart
Symphonie C-Dur KV425 "Linzer"
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先週の指揮者はトン・コープマンであったが、今回は音楽監督のユベール・スダーン。彼はちょうど3週間前の東響定期で素晴らしいモーツァルト「レクイエム」を聴かせてくれたので、期待する。

最初のハイドンの交響曲では、あのラトル&啓蒙時代オーケストラの斬新な名演奏が強烈すぎて、今ひとつインパクトが弱い感じだ。とはいえ、聞えてくる音楽は高水準なものには間違いない。モーツァルトの協奏交響曲では、フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットのソリストが指揮者の前に並べた4つの椅子に向い合わせて座る。4つのソロが織り成す音色や、オーケストラとの対話は、じっくり聴いていていると味わいがあって、最初のハイドンよりも聴き応えがあった。

休憩になったので、魔笛小屋の庭に出てみると、ちょうど小屋の裏側にはミラベル公園の一角で、草木に囲まれた小さな野外ステージがある。この時、ちょうどチロル音楽とダンスのミニ・パフォーマンスが行われていた。

さて後半はモーツァルトの交響曲リンツ。何度もライブで耳にする名曲だが、スダーン&モーツァルテウムの演奏は素晴らしいの一言である。早めのテンポで出だしから快調に走るといった演奏。抑揚もごく自然。何度も聴いている交響曲がとてもフレッシュな生命力を持っていた。楽章を追う毎にその素晴らしさの度合いが高まり、終楽章ではもはや圧倒的なモーツァルトとなっていた。スダーン氏の指揮には、前回の東響レクイエムでも感じたが、常に新鮮な演奏に徹する姿勢が伺える。