08/01 フランチェスコ教会ミサ
●MESSE der Franziskanerkirche Salzburg / Sonntag 1.8. 1999 9.00 Uhr
 Joseph HAYDN :MESSE Nr. 12 in B-Dur "THERESIEN-MESSE", HV XXII:12
Ausfuhrende:
Elisabeth Kainz - Sopran
Barbara Malkus - Alt
Bernd Lambauer - Tenor
Wolfgang Moosgassner - Bas
Chor und Orchester der Franziskanerkirche Salzburg
Dirigent: Bernhard Gfrerer
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フランチェスコ教会は祝祭劇場からペーター教会へ向う左側の一角にある。路地に面した大きな扉を開くと既にミサに参加する人々で一杯になっていた。とりあえずドームの下まで進み空いているところに座った。内部はかなり広い。カランカランと鐘が鳴らされ、全員が起立。荘厳なパイプオルガンと共に司祭たちが列をなして入場する。十字架の杖が掲げられ、カトリックの典礼が始る。説教と讃美歌に続いて、ドーム天井近くのピットからオーケストラと合唱によりハイドンのミサが開始された。

伽藍の反響が降り注いでくる様は何とも荘厳だ。教会の残響が自然のビブラートを発生し、神秘的でもある。オーケストラも実に柔らかく、金管群の炸裂や勇ましいティンパニも教会の響きで自然増幅される。とにかくハイドンのミサがこれほど躍動的で力強いものであったのかと驚いた。コンサートホールで聴くミサとは格段に違うわけで、ミサたる所以を体で持って実感できた。リスト達の歌声もまさに天使の歌声だ。なにか希望が湧いてくる躍動も覚えた。

ミサの途中も、僧侶たちによりカトリックの儀式が執り行われる。カシャン、カシャンという音とともに香が空間に満たす。キリエが終わったところで司祭達が交互にグレゴリア旋法で語りを入れて行く。そのたびに全員起立し朗誦を行う。儀式ではあるが、そうすることによって受身ではない祈り本来の姿を実感できるたように思う。9時から始まり延々と約1時間半を越えるミサは敬虔かつ感動的であった。