05/02 バイエル州立歌劇場のワーグナー楽劇『神々の黄昏』

今日は4時開演ということで3時半に劇場へ向う。外は初夏を思わせるほどの陽気で、歌劇場の前はちょっとした社交の場になってい。座席は右側バルコン1列目のミッテルロージェに接したところ。ステージまではサントリーホール2Fの最前列とほぼ同程度。

●Bayerishce Staatsoper / Nationaltheater Muenchen
Sonntag,2.Mai 1999
Zyklus B
Richard Wagner
Der Ring des Nibelungen
Dritter Tag
Goetterdaemmerung
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Musikalische Leitung: Zubin Mehta
Nach einer Inszenierung von von Nikolaus Lehnhoff
Buehne: Erich Wonder
Kostueme: Frieda Parmeggiani
Choere: Udo Mehrpohl

Siegfried : Siegfried Jerusalem
Gunther : Alan Held
Hagen : Kurt Rydl
Alberich : Ekkehard Wlaschiha
Bruenhilde : Gabriele Schnaut
Gutrune : Petra-Maria Schnitzer
Waltraute : Birgitta Svenden
Woglinde : Margarita De Arellano
Wellgunde : Annegeer Stumphius
Flosshilde : Silvia Fichtl
1.Norn : Mette Ejsing
2.Norn : Irmgard Vilsmajer
3.Norn : Carla Pohl
Loge : Philip Langridge

Das Bayerische Staatsorchester / Hornruf: Hans Pizka
Der Chor der Bayerischen Staatsoper

Beginn 16:00 Uhr
Pausen nach dem 1. und 2. Aufzug von ca. 60Min.
Ende ca. 22.30 Uhr
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4時から11時近くまで掛かったワーグナーの大作。途中1時間の休憩が2回入り、たっぷりとリングの世界に浸りきることができた。レーンホフ演出のプロダクションだ。ズービン・メータの指揮は、LDで聴くサヴァリッシュのそれよりも音楽のスケールが大きいと感じた。とにかく今日の「黄昏」は凄かった。

バイエルンのオーケストラは、メータによってさらに磨きが掛かっているのは確かなようだ。このことは地元でも評判されているようで、今日のアンサンブルは緻密さと豪快さを如何なく発揮していた。密度の高い音楽と展開のスムーズさも特徴のひとつ。緊張感も十分で「ラインへの旅」「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」などの名曲ピースにおいても聴衆の期待を裏切らず、期待以上のアンサンブルを聞かせてくれた。

キャスティングも素晴らしかった。特にシュナウトとイェルサレムの二人で舞台が狭く感じるほどの迫力だ。一番凄かったのはシュナウトのブリュンヒルデで、神から人へ変わったブリュンヒルデを上手く歌っていたし、とにかく迫力のドラマチックソプラノだ。ちなみに彼女のエレクトラも評判だそうだ。ミュンヘン、ベルリンではルネ・コロがジークフリート役として長らく君臨してきたが、そのイメージが強い為か、イェルサレムのジークフリートはヘルデンという輝かしさが不足気味に感じた。もっともこれは第1幕で感じたことであるが、第2幕以降はかなり調子が上がり、ブリリアントさを増してきた。

リドルが歌ったハーゲンもシュナウトに次いで素晴らしい出来栄え。彼はまるで悪の化身そのもので、真に迫る演技と歌。彼の地声はこういったどろどろとした悪にぴったりだ。グートルーネを歌ったシュニッツァーはかなりの美人でそのセクシーさはジークフリートを虜にするには十分。それに歌もかなりのものだった。

カーテンコールでは怒涛の喝采となった。拍手の度合はシュナウト、リドル、イェルサレムの順で大きかった。最後にはカーテンが開くとオーケストラとメータが舞台に整列。長い拍手とともに、ステージのセットがそのまま、ゆっくりと舞台奥へ移動している。全員が手を振りながら、見えなくなるくらい舞台ごとステージ奥へ去っていった。これは本プロダクションが本日で最終となる為だそうだ。ちなみに来シーズンのリングは休み。次回から新演出のリングが登場する。