Overseas Report by Mr. Takahara
Morzart ; Don Givanni / Opern Zurich

1/26(金)19:00 チューリッヒ歌劇場
モーツァルト ドンジョヴァンニ
J・フリム演出 アーノンクール指揮

ドンジョヴァンニ :Rodney Gilfry
レポレロ:Laszlo Polgar
アンナ:Izabel Rey,
騎士長:Matti Salminen


今回の旅行の目玉(何が目玉かわからなくなったが)がこのオペラでした。アー
ノンクールはこの前のニューイヤーのときのテレビインタビューの発言(「日本
がこっちにやってくればよい」)から察するに来日公演はまず無理だから、こち
らから行くしかない。しかも演出はフリム。この前ウェルザーメストの「魔笛」
をBSで見てこのオペラハウスはおもしろそうだという期待がありました。

結果は予想通り、おもしろいオペラというのは時間を忘れるものです。あっとい
う間に1幕が終わり休憩になってしまいました。パルケットガラリーのほぼ正面
席で指揮の様子はよく見えました。何せオペラハウスで開幕の15分前までリハ
ーサルをやっているのですよ。いかに熱心かがわかります。アーノンクールはお
よそ手抜きとは縁遠い人で、事細かな指示を与えていきます。

演出は一昨年、昨年のザルツブルクとは大違いで、奇抜な設定を行わずに、舞台
転換をひんぱんに行い、スライド映写などを組み合わせます。また、レチターチ
ヴォの部分で歌わずにセリフとしてしゃべる部分などがひんぱんにあり演劇的で
おもしろい。ジョバンニが死んでオペラの最後に皆が第九のように歌詞を持ちな
がら歌い、ばかばかしい演出だといったように全員が放り投げ、さらにジョバン
ニがあの世でも女を口説いているのを見てみんなあきれて終わります。

(後日談)
このオペラハウスでは何とオケピットの中の客席側に1列の客席があった。当日
券なのだろうか。一度あの中で聴いてみたい。最近DVDで出た同歌劇場「コジ
・ファン・トゥッテ」(フリム演出・アーノンクール指揮)を帰国後見たが、や
はりすばらしい出来だった。