Overseas Report by Mr. Takahara

Berliner Philharmonisches Orchester
unter Claudio Abbado

1/25(木)20:00 アバド指揮 ベルリンフィル 
ヴェルディ レクイエム
キャスト:Angrla Gheorghiu, Daniela Barcellona, Roberto Alagna,
Julian Konstantinov、スウェーデン放送合唱団


 壮絶な演奏でした。あまりのすばらしさに言葉では言い表せないほどです。日
本でも放映されるので、多くを語る必要はないでしょう。私にとってはあのマー
ラーの2番を越えるほどのすばらしい演奏でした。演奏終了後、まるで黙祷する
ように沈黙が続き、アバドがちゃんと指揮棒をおろした後、すごい拍手が起きま
した(何とすばらしい客!日本ならば我先にとブラボーが飛ぶだろう)。

そして、アバドの公演ではあまり見たことがないのですが、自然とみんなが立ち
上がっていました。終演後は半時間ほど拍手が続きました。アバドについてです
が、日本公演の時よりもずいぶん元気になっているという印象でした。Fブロッ
クで左側のステージ側の席だったので、顔はよく見えたし、終演後にはかなり近
距離で見たのですが、だいぶん以前の顔にもどっているようです(やせてはいま
すが)。

レクイエムはオペラなのだと、つくづく思いました。ヴェルディのオペラのエッ
センスが詰まった良質の演奏会形式のオペラなのだと思います。しかし、この1
週間でヴァントに続きまたもこんな演奏聞けるとは、何という幸せものでしょう。

ところで、今日、昼過ぎにデパートのカーヴェーデーでCDを見ていたら安永
徹氏がご夫人とご一緒にCDを見ておられました。かなり近くにおられたので、
声をおかけしようと思ったのですが、探し物をされているようなので、やめまし
た。安永氏は今日のコンサートで演奏されておられました。

(後日談)
BSで録画したのを帰国後見たが、やはりライブというのは価値があるものだ。
その場にいないと味わえない感動があるものだ。テレビのアップで見たアバドは
演奏終了後の沈黙の間、泣いているように見えた。あの沈黙は約25秒だったが
重要な時間だった。