壮絶な演奏でした。あまりのすばらしさに言葉では言い表せないほどです。日
本でも放映されるので、多くを語る必要はないでしょう。私にとってはあのマー
ラーの2番を越えるほどのすばらしい演奏でした。演奏終了後、まるで黙祷する
ように沈黙が続き、アバドがちゃんと指揮棒をおろした後、すごい拍手が起きま
した(何とすばらしい客!日本ならば我先にとブラボーが飛ぶだろう)。
そして、アバドの公演ではあまり見たことがないのですが、自然とみんなが立ち
上がっていました。終演後は半時間ほど拍手が続きました。アバドについてです
が、日本公演の時よりもずいぶん元気になっているという印象でした。Fブロッ
クで左側のステージ側の席だったので、顔はよく見えたし、終演後にはかなり近
距離で見たのですが、だいぶん以前の顔にもどっているようです(やせてはいま
すが)。
レクイエムはオペラなのだと、つくづく思いました。ヴェルディのオペラのエッ
センスが詰まった良質の演奏会形式のオペラなのだと思います。しかし、この1
週間でヴァントに続きまたもこんな演奏聞けるとは、何という幸せものでしょう。
ところで、今日、昼過ぎにデパートのカーヴェーデーでCDを見ていたら安永
徹氏がご夫人とご一緒にCDを見ておられました。かなり近くにおられたので、
声をおかけしようと思ったのですが、探し物をされているようなので、やめまし
た。安永氏は今日のコンサートで演奏されておられました。
(後日談)
BSで録画したのを帰国後見たが、やはりライブというのは価値があるものだ。
その場にいないと味わえない感動があるものだ。テレビのアップで見たアバドは
演奏終了後の沈黙の間、泣いているように見えた。あの沈黙は約25秒だったが
重要な時間だった。 |