他のヨーロッパ諸国や日本では深く愛される存在です。
70年デビューのLUCIFER'S FRIENDや79年デビューのACCEPTなども国内外を問わず活躍したバンドです。初期のアルバムで現在のドゥームメタルにも影響を与えた(途中音楽的なカラーは変化します)LUCIFER'S FRIENDは当時ドイツ、ヨーロッパでも人気を博し昨今のメタルミュージシャンにも多く支持される存在で81年を最後に活動を休止しましたが最近また復活しました。常に高音域をスクリームし続ける超攻撃的ボーカルUDOー DIRKSCHNEIDERを擁するACCEPT(98年解散)は3rdアルバム以降極端なメタル色を打ち出し、ブリティッシュロックの荘厳さとクラシックを土台にしたもの悲しいメロディ、リフのラインがうまく調和したその音楽は広く世界で支持されました。
ドイツの次の新しいロックムーブメントは85年デビューのHELLOWEENの登場で幕を開けます。POWERFOOLのMICHAEL WEIKATHとIRON FISTのKAI HANSENを中心に84年に結成され86年に若干18歳のボーカルMICHAEL KISKEを加えると87年に「KEEPER OF THEーSEVEN KEYS PART1」88年に「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART2」の2枚のアルバムを発表(元々は2枚組アルバムの予定だったが実現せず)。当初評論家の間では「声がクリア過ぎる」と酷評されたMICHAEL KISKEのオペラボイスですがファンにはすんなり受け入れられ当時「ドイツのレーベルのロックアルバムは5万枚売れれば大ヒット」という中100万枚を越える大ヒットを記録しました。その頃のドイツではDESTRUCTION、KREATORといった国内バンドを含むスラッシュメタルブームがあったのですがその勢力地図もあっと言う間に塗り替えてしまいます。
HELLOWEENの持つスピーディーな展開、クラシカルなメロディ、リフなどはやはりアメリカ、イギリスでは受け入れられませんでしたがヨーロッパ諸国や日本などでは広く支持されドイツ国内だけでもBLIND GUARDIAN、RAGE、CHROMING ROSEなど多数のフォロワーバンドを生み出しました(注:別に上記バンドがただの“パクリバンド”という意味ではありません。念のため)。ちょうどこの時にSCORPIONS、ACCEPTなどのビッグバンドが活動を停止していたということもあったのでしょうがHELLOWEENは様々な海外のイベントなどへ「ドイツ代表」の看板を背負って出演を果たします。また音楽性においてはやはりSCORPIONS、ACCEPTなどの影響を受けており、違うタイプのバンドであるのは間違いないのですが随所に似たフレーズや楽曲を見ることが出来ます。
80年後半、HR/HMが活性化したドイツでは他にもRUNNING WILD(←このバンドはHELLOWEENよりもデビューは早いです)HEAVENS GATE、PINK CREAM69などの違うタイプのバンドもヒットしました。またULI JON ROTHの弟で兄と同じくスカイギターを使うZENOー ROTH率いるZENO(86年デビュー)やその後ZENO ROTHが抜けた後のメンバーで結成したFAIR WARNING(92年デビュー)などの流れも見逃せません。
HELLOWEENに話しを戻すと89年にKAI HANSENが脱退。公式発表では「健康上の理由」ということになっていますが後のインタビューや90年にすぐGAMMA RAYを結成したところなどをみると当時のHELLOWEENが順風満帆ではなかったことがわかります。リードギターが2人いたりソングライターも複数いたことから自分の音楽が確立出来なかったKAI HANSENはMICHAEL KISKE以前にHELLOWEENに誘っていた元TYRAN PACEのボーカルRALFー SCHEEPERSを獲得しある意味本家よりHELLOWEEN色の強い自由なヘヴィメタルを追求していきます。
一方本家HELLOWEENは複数のソングライターの方向性の違いから徐々にハードポップなカラーになっていきます。90,91年には移籍問題で活動を休止せざるおえなかったり92,93年発表のアルバムは今までのファンには受け入れられず、と言っても新しいファンを多数獲得したわけでもなく、ロックシーンから姿を消すのも時間の問題かとも思われました。しかし94年に、一説に麻薬中毒とも言われていた(「麻薬中毒」説は誤報とのこと02年2月にご指摘受けました)ドラムと、メタル指向の薄かったMICHAELー KISKEをクビにすると新たに元PINK CREAM69のボーカルでメインソングライターだったANDI DERISと元GAMMA RAYのドラマーULI KUSCHを獲得しヘヴィメタルバンドとして復活します。メンバー全員がソングライターという状況は相変わらずなのですが「HELLOWEE N印のヘヴィメタル」を旗頭にまとまりを見せ「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」に負けず劣らずのメタルアルバムを世に送り出しています。ドイツのメタルの「線」はなんとなくでも見えたでしょうか?もっと多くのバンド名や当時のイギリスやアメリカのメタルの状況、アルバムごとのレーベル、プロデューサーなども書くとより「線」がはっきりするのですがそれは省きます。
このような「線」に乗っかっているのがヘヴィメタル、と言いましたが「じゃあ新人バンドはどうなんだ?」とか「線に乗っていても本人達が違うと言ってるバンドはどうなるんだ?」とかいろいろなつっこみもあるかと思います。
ここまで書いておいてこんなことを言うのもどうかと思いますが「ジャンルなんてどうでもいいじゃん」というのが僕の本音です。メンバーが「俺達はヘヴィメタルバンドではない」と言ったから聞いていいと感じても「このアルバムはくだらない」というメタルファンは僕は変だと思うし「ジャーマンメタル」などの細分化されたジャンルはあくまで目安にすぎず別に「ジャーマンメタル」と言われているバンドが全部同じCDをつくっているわけでもありません。
ただ雑誌などでは1言で大体のイメージが表せとても便利なので頻繁に使われているようですね。
メタルに限らず音楽に関して雑誌やホームページなどで語る時などには(掲示板などの個人的な感想などの書き込みはいいのですけど)出来るだけその音楽の「線」を理解しておくことが望ましいのですが、実際教科書や完璧なデータベースなどがあるわけでもありません。「自分が理解していて自信の持てる範囲で語る」ということが大事なのではないか、と思います。