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柴田幸範(イエズス会社会司牧センター) |
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最初に明治大学の菊田幸一さんが基調講演を行いました。刑法の大家であり、犯罪被害者支援にも取り組んできた菊田さんは、いたずらな重罰化では犯罪は減らないこと。警察主導の被害者支援は司法の中立に反する恐れがあることなどを指摘して、「死刑廃止運動と被害者支援運動は決して矛盾しない。被害者や遺族の痛みと、加害者の志積の重み、そのどちらも排除することなく受けとめる社会をめざすべきだ」と語りました。 つづいて、パネル・ディスカッションでは3人の宗教者がそれぞれの体験から語りました。大本の高木日出喜さんは、教戒師としての体験から、「収監者の立ち直りを信じて、内なる人間性に訴えかけていきたい。そのために被害者の心情を少しでも伝えていけたら」と語りました。 日本聖公会の池住圭さんは、数々の死刑囚を支援し、見送った経験や、加害者の死刑に反対した被害者遺族と出会った体験から、加害者の排除ではなく、いのちを大切にする価値観を広めることによってのみ、犯罪を減らせること。被害者遺族支援のためには、カウンセリングや経済支援、加害者との面接許可など、社会の幅広い取り組みが必要であることなどを語りました。 長年、仏教者として死刑廃止に取り組んできた真宗大谷派の玉光順正さんは、親鸞の教えを紹介しながら、「人は何をしでかすか分からない。だから恐ろしいのではなく、だから豊かなのだ。加害者も被害者も、その家族も、誰も排除せず、一人ひとりと丁寧につながっていくしかない」と、仏教者らしい実感のこもった話をしました。 最後にコーディネーターの高田章子さん(フォーラム90)が、「宗教者こそ加害者と被害者をつなぐ力がある。加害者も被害者も共に引き受ける社会づくりの先頭に立ってほしい」と、宗教者に対する期待を語りました。 |
レニー・クッシングさんは1988年に父親を自宅で殺害されましたが、「犯人を死刑にしろと叫ぶことは、肉親だけでなく、自分の大切にする価値観まで犯罪によって奪われてしまうことだ」と、死刑に反対し続けてきました。クッシングさんは被害者の救済と同時に死刑の廃止も求める「和解のための殺人被害者遺族の会」代表として、加害者と被害者両方にコミットする「並行的司法」(parallel justice)の重要性を訴えました。 トシ・カザマさんは15歳の時に米国に渡って以来30年、暴力や貧困、麻薬、人種差別など米国社会のあらゆる矛盾を考え続け、そのシンボルが死刑であると気づいて、8年前から少年死刑囚の写真を撮り続けています。モノクロで撮られた死刑囚やその家族、刑務所の施設や処刑台。他の誰かが、刑務官が死刑囚を殺すのではない。死刑にイエスという私たちが死刑囚を殺すのだというカザマさんの言葉が突き刺さりました。
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