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20世紀は「戦争の世紀」と言われ、人類史上最悪の、暴力が支配する世紀だった。誰もが平和を願った21世紀もまた、テロと「テロに対する戦争」という暴力で、幕を開けた。
神学者で歴史学者である著者は、人類の宿命ともいえる暴力について、さまざまな角度から分析する。特に、現代人のアイデンティティの危機、「暴力は生物固有の本能である」という神話、ナショナリズムと排除の論理、宗教的原理主義、民主主義に内在する暴力−などについての考察は、暴力の根深さについて深く考えさせる。
著者は具体的な処方箋は示していない。ただ、「平和は画一性ではなく、多様なるものの調和的共存のうちにこそ、生まれる」と強調する。「正義」と「民主主義」を旗印に戦争が行われる現代に、じっくり読んでいただきたい本だ。 |
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●目次から●
- はじめに
- 暴力の世紀を後にして
- 21世紀は希望の世紀?
- 暴力とは何か?
- 暴力に至る道
- 世界の拡大とアイデンティティの危機
- 所有物と結びつくアイデンティティ
- 生存のための闘い
- 生物学と歴史
- 攻撃性と暴力性
- 暴力の歴史的連鎖
- 今日の暴力の特徴
- 緩慢な死
- ナショナリズムと帝国主義
- 多様な世界は不可能か?
- お前は仲間ではない
- 家庭と学校の暴力
- 死を招く宗教
- 分裂症的な民主主義
- 民族抹殺
- 終わりに−今日見過ごせば、明日は戦争
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