私たち「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、本日、久間三千年さん(福岡拘置所)・高塩正裕さん(仙台拘置所)に死刑が執行されたことに強く抗議します。今回の執行を加え、昨年12月以来、10ヶ月で6回、のべ18人に死刑が執行されました。度重なる死刑執行が続く限り、国家は、死刑執行を通してその暴力的体質を増幅させているといわざるを得ません。私たちは、「人のいのちは生かされるよう委託されたものである」ことを信じ、死刑執行の即時停止を強く要請いたします。
私たち宗教者のこの主張に対し、法務大臣は「大罪を犯した者には、死をもって償ってもらうしかない」と反論されるかもしれません。しかし、その反論は明らかに間違っています。なぜなら、大罪は人と人の関係が歪められ「社会的存在」を奪い去られた時に生じるものであり、その関係の歪みは、社会構造の歪み、差別、格差から生じているからです。そのような社会を改変することを避け、現状をひたすら維持しようとする国家に、大罪を引き起こした者を裁き、存在を抹消する権利はありません。
宗教者は法務大臣、政府にこう呼びかけます。「人は、誰もが加害者と被害者の側面を常に兼ね備えている。犯罪を引き起こした者は、これまでの生活の中で、必ず被害を受けた体験を持ち、またそこからの解放の道が閉ざされた人である。ゆえに、被害を受けた部分を癒す関係を人に求めて拒絶された時に、加害者に転じていくのである。」
私たち宗教者は訴えます。「人間は他者を生かし、他者に生かされることによってこそ、人間らしく生きることができる。死刑は犯罪を引き起こした者を徹底して排除し、人間らしい生き方を可能にする関係作りを根こそぎ破壊する暴力である。即刻中止すべきである。」
私たちは、諸宗教の立場から、授けられ祝福された人のいのちの尊厳を世に反映させるために、死刑制度の廃止を、諸宗教の立場から、国家、政府に訴えつづけます。 |