法務大臣 鳩山邦夫殿
私たち「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、本日、名古圭志さん(福岡拘置所)、持田孝さん(東京拘置所)、松原正彦さん(大阪拘置所)に対して死刑が執行されたことに強く抗議します。

「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、仏教諸派、生命山シュバイツァー寺、キリスト教諸派、大本などによって構成される超教派の団体です。私たちは昨年12月7日の3名への死刑執行に対しても、抗議声明をお送りしました。12月16日には東京で、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、アムネスティ・インターナショナル日本と共に、死刑執行に抗議する集会を開催しました。それにもかかわらず、今回もまたこのような形で執行がなされたことに、深い悲しみと怒りを覚えます。

昨年12月18日には国連総会で、死刑執行停止を求める決議が採択されました。この決議に対して、日本の死刑執行を憂慮する世界の市民団体や宗教団体から歓迎の声があがっています。命を大切にする社会を築きたいのなら、どんな罪を犯した人でも死刑にすべきではないし、罪を犯した人の命を奪うことで、社会の安全が保たれることは決してないことを、彼らはよく知っているからです。私たち「死刑を止めよう」宗教者ネットワークも、彼らとまったく同じ考えです。

重大犯罪の増加や低年齢化(このような認識についても多くの議論があります)が喧伝され、厳罰化の声が高まる中、今、日本では死刑判決が急増し、確定死刑囚の数が増えています。しかし、力によって暴力を抑え込もうという試みが無効であることは、「テロに対する戦争」がかえって泥沼の状況を招いていることからも明らかです。何よりも、いじめや過労、生活苦から年間3万人以上が自殺する日本で、このように安易に死刑を執行し続けるなら、「一度道を踏み外せば、二度と生き直すことはできない」という誤ったメッセージを発信して、ますます命が軽んじられる社会を創り出すことになると憂慮します。

私たちはもう一度、「生命の尊重」という原点に立ち帰って、死刑制度を考え直す時が来ていると考えます。そのためには、死刑囚の処遇や死刑執行の実態、被害者遺族やその支援策の実情、重大犯罪を起こした人々に対する矯正の実情など、死刑に関わるあらゆる情報を公開し、冷静で真摯な議論を積み重ねる必要があります。法相ご自身も、死刑に反対する市民団体と話し合い、死刑について議論する必要を認めています。

一刻も早く死刑の執行を停止し、死刑に関係するすべての情報を公開して、死刑の是非を問う国民的な議論の場を設けることを、改めて要請します。



2008年2月1日
「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク