「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、仏教諸派、生命山シュバイツァー寺、キリスト教諸派、大本などによって構成される超教派の団体です。私たちは去る8月23日の3名に対する死刑執行に対しても、長瀬前法務大臣あてに抗議声明を発表いたしました。また、9月7日に東京で開いた「死刑執行停止を求める-諸宗教による祈りの集い」では、鳩山現法務大臣に対して死刑執行停止を求める要請文を決議し、郵送いたしました。その一部を抜粋いたします。
「私たちは、『この世に生きるすべてのいのちは、どんな理由があっても奪われてはならない』という、生命の尊厳を大切にする価値観に基づいて、死刑執行の停止を求めています。戦争や殺人、自殺やいじめなど、暴力や抑圧によっていのちが脅かされている今の日本社会であればこそ、私たちは、死刑という暴力によって、新たな『殺人』をさらに重ねることに反対します。
また死刑執行は、死刑囚から、自らの過ちを認め、その責任をとる『生き直し』の機会を奪い、被害者とその家族に対して心から謝罪する機会を失わせます。
『遺族感情』や『公共の安全』を理由に死刑執行を増加させるのは、根本的な犯罪防止策や被害者対策をなおざりにしている現状から、目をそらす方策のように思われます。私たちは宗教者として、市民の犯罪に対する恐怖や、ご遺族の悲しみ・怒りと真摯に向き合い、理解しようと努めています。しかし同時に、真の犯罪防止や被害者支援は、強権的・応報的方法ではなく、社会的絆の再生や和解をめざす修復的な手法によって行われるべきだと考えています。日本でもすでに、善意ある方々の間で、こうした『修復的司法』の試みが始まっています。私たち宗教者はもちろんのこと、官民挙げてこうした試みを推進していくことこそ、『いのちを大切にする社会』への一歩であると確信しています」
本年10月28日には、アメリカで死刑に反対する殺人事件被害者遺族の会のバド・ウェルチさんを講師に招いて講演を行いました。「復讐は被害者遺族の癒しにならない。死刑は何も解決しない」というバド・ウェルチさんの言葉は、上記のような私たちの信念を世の中に問いつづける勇気を与えてくれました。
昨年12月に4名、今年3月に3名、8月に3名、そして今回3名と、1年の間に13名もの矢継ぎ早の死刑執行には、もはや恐怖すら覚えます。鳩山法務大臣が、死刑制度に関する勉強会に市民団体を招いて意見を聞かれたことに敬意を表し、「死刑に関する国民的議論を深める」という私たちの目的に向けての、一歩前進と評価していただけに、今回の死刑執行が残念でなりません。このように性急に死刑執行を続けることに強く抗議し、真にいのちが大切にされる社会づくりをめざして、死刑執行をすみやかに停止されるよう、つよく訴えます。
2007年12月7日
「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
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