2006年12月26日
    法務大臣 長勢甚遠殿
4人の死刑執行に抗議します
 私たちイエズス会社会司牧センターは、カトリック・イエズス会の社会問題担当機関として、また「死刑を止めよう」宗教者ネットワークの一員として、「死刑の執行を停止し、死刑の是非について国民的議論を喚起する」ことをめざして活動してきました。昨日、秋山芳光さん、藤波芳夫さん、日高広明さん、福岡道雄さんに死刑が執行されたことに、強く抗議します。

 カトリック教会は、「命は神が与えたもので、何者も奪うことができない」、「神は、どんな罪人も悔い改めて、神に立ち帰るよう望んでいる」、「今日、犯罪抑止や社会秩序の維持は、死刑以外の有効な方法によって行われうる」、「被害者支援は、応報感情の満足によってではなく、社会全体の被害者への連帯によって行われるべきである」などの理由から、死刑に明確に反対してきました。
 特に、今回死刑を執行された藤波芳夫さんは、キリスト教信仰を持っておられたと聞きます。それによって罪が帳消しになるわけではありませんが、生命を全うして罪を償う機会が与えられるべきだった、との想いは消えません。

 昨日はクリスマスでした。キリスト教徒のみならず、世界中の人々が、生命の尊さや平和について考える、よい機会であったと思います。まさにその日に死刑が執行されたことは、暴力と死に苦しむこの世界に、新たな暴力と死を付け加えたことに他なりません。このような方法で、どうして、一人ひとりの命が大切にされる平和な社会を築くことができるでしょうか?

 杉浦正健前法務大臣は、その任期中、良心に従い、命の尊さに思いをはせ、死刑執行命令書に署名しませんでした。どうか長勢法務大臣も、死刑執行という命を奪う行為の重大さを今一度深くかみしめ、死刑によらない犯罪抑止や犯罪者更生、そして犯罪被害者支援の充実に真剣に取り組まれるよう、心から希望いたします。


イエズス会社会司牧センター
死刑問題担当 柴田幸範