木材貿易:林産物の貿易自由化のリスクと機会

主な発見及び提案

 林産物輸出国が、その森林保護政策や法律、実践を改善しない限り、これ以上の貿易自由化は、森林の持続的経営及び保全努力に明らかな影響を及ぼすことになるだろう。WTO閣僚会合に向けて現在話し合われているプロポーザルにあるような関税撤廃を推進することが、地球全体の貿易を大きく変える可能性は低いだろう。なぜならば、ほとんどの関税は既にかなり低い水準にあるからである。しかしながら、関税撤廃はいくつかの産品及び市場には明らかな影響を及ぼす可能性がある。

 非関税障壁の撤廃は、関税撤廃とは比較にならない程の悪影響を与える可能性がある。主な影響として、植物検疫に関する基準の低下や、林産物のラベリングに対する悪影響、国家や地方政府が自らの地域内における社会的、環境的影響を軽減させるために実施する禁止措置に対する悪影響がある。

 森林保護に関して同時並行的に議論をおこなうための枠組みが設置されるまでは、森林に悪影響を及ぼしたり、森林保護に逆行する可能性のある貿易自由化は進められるべきではない。

 私たちはここに5つの提案をまとめた。これら5つの提案は、それぞれが別個の経済的、環境的意味を持っているため、大半は個別に実施されるべきである。

提案1
非効率の元となっており、環境に害を与えている補助金を廃止すること

提案2
消費者が十分に情報を与えられ、市場が効率よく機能するのを促すため、林産物に関する情報の自由な流れを促すこと

提案3
検疫上、植物検疫上の措置の実施に関するWTO協定を明文化すること

提案4
環境と社会に関する影響アセスメントを実施するために、貿易政策、制度、及びプロセスを見直すこと

提案5
森林保護のための国際的、国家的枠組みを強化するため、各国政府が協力すること

出展: Sizer, N., Downes, D. & Kaimowitz, D. (1999). Tree Trade: Liberalization of International Commerce in Forest Products: Risk and Opportunities. Forest Notes, November 1999.