1996年11月16日
議会議員各位

 アメリカの林産業は、その国内・国際競争力に関して岐路に立たされています。

 当業界は、従来のヨーロッパ企業に加え、より安価な繊維資源と低い労働コストを武器にした発展途上国によって、空前の競争激化に見舞われています。アメリカ林産物業界が競争力を維持するには、世界中の市場で同じ競争条件を保障することが最良の方法でが、現在、そうした条件は実現されていません。アメリカで紙・木材製品への関税は事実上撤廃されている一方、当業界は海外の競争相手が活動する市場で、過剰な高関税に直面しています。

 シアトルにおけるWTO貿易交渉(11月30日〜12月3日)は、輸出市場における高い紙・木材の関税を排除し、当業界の競争力を将来に渡って維持するための、非常に重要な機会です。そのシアトル会合で議題に上る主要項目の一つが、加速的関税自由化(ATL)イニシアティブです。ATLイニシアティブは、林産物を含む8つの優先分野において、関税の削減もしくは撤廃を求めています。

 我々は、議会が現政権の交渉努力を支持し、シアトルにおけるATLの合意達成を確実とするよう要請します。林産業界に関して言えば、2000年以降の関税削減を定めた合意が得られなければ、輸入品による基盤の衰弱が起こり、アメリカにおける雇用の喪失がさらに進む結果となるでしょう。

 ウルグアイラウンドの終了以降、我が国の世界的な貿易収支は悪化してきています。1994年にアメリカにおける林産物の輸入超過は29億ドルでしたが、1998年における林産物部門の貿易赤字は94億ドルと3倍以上に急増しています。そして、1998年における製紙業界全体における雇用量は1万7800人(2.6%)も減少しました。

 シアトルにはアメリカ林産物業界の代表者が駐在しており、議員の皆様やスタッフの方々がWTO会合にご出席の折には、喜んでお手伝いさせて頂きます。

 これは、このアメリカ産業が競争力を保持し続けられるかがかかっている転機であり、重要な機会でもあります。皆様が、アメリカの交渉担当者を支持することで、彼らが林産物の関税軽減達成を、シアトルにおけるアメリカの優先項目とするよう要求して頂きますようお願い申し上げます。

皆さまの一層のご活躍を期して。

敬具

W・ヘンソン・ムーア
アメリカ森林製紙協会
会長兼最高経営責任者