フランスワールドカップ予選
1997/11/ 8 対カザフスタン(東京 国立競技場)
チームになりました。でも、勝つべき試合に勝っただけ!!
カザフスタン(以後カザフ)が日本を自由にしてくれたという事。中盤のチェックが全然無く、ラインを上げてくるから日本は楽に試合が出来た。そして前半に3点取れたこと。フィジカルも敗けてなく、選手の状態も良かったと思う。完勝でしょう。ただ、これでフランス行きが決まったわけでは無く、この1週間の相手の分析と選手の状態を今以上にしてマレーシアでの戦いを頑張って欲しい。
まず、意外だったのは日本のスタメン。中山でのスタート。チームの勢いを出したかったのだろうか?やはり順当なら高木だっただろう。しかし、相手が浅いラインを引いてきたので中山と城の動きが利いてもいたのだが、、、。ボールをゴールに入れるという大事なポジションなのに、焦りからかシュートがゴールに飛ばなかった。全くのフリーでさえ。気持ち気持ちというがシューターはボールをゴールに入れるポジションのはず。冷静に決めるとことは決めないと。せめてゴールにボールを飛ばさなければ。自信を持って形を作って欲しい。中山はあれが精一杯だったと思う。最後に点も取ったのは立派だが、、、。やはり、先発は高木だったのでは。高さもポストも考えれば高木先発、後半中山だったと思う。また、城は落ち着いてシュートを打って欲しい。上手いし高さもあり早さも充分あると思うのだが結果が出てない。頼れる選手に成って欲しいものだ。雀 竜洙のように。
セットプレーからの先始点。中田と名波はようやく仕事の分担が理解しあえたと思えた。中盤の前目と下がり目での役割など。そしてこの日セットプレーでのキックの精度は、カズよりはっきりいって上だと思う。相手のマークが甘いといえ5点中3点がセットプレーというのが証拠だ。1点目の秋田と3点目の中山のそれぞれのボールは最高のボールだった思う。無論、相手のマークの甘さは大きいが、、、。名波のパス、中田のパスと上手く使い分けれたのも大きかったが、カザフが二人を自由にやらせすぎだったこともあると思うが。
この日の代表の2点目は素晴らしい得点だと思う。ボールをカットしてからの回し方。揺さぶり、相馬の上がりとタメてからの名波のボール。切れ込んでの折り返しから中田のゴール。チームがゴールに向かって機能した素晴らしいゴールだったと思う。キーパーが防げたボールだった思うけど中田のシュートがゴールに行ってたから決まったのだ。あそこでシュートが枠を外れたら得点にはならないのだ。シュートがゴールに飛ぶ事が重大なのだ。年に何回のビューティフルゴール!!
それと後半の高木の得点。キーパーの前に走り込んでのコースを変えたゴール。これも城から相馬へ、そして相馬のピンポイントのパス。カザフがもう少し人数をかけて守ればあのようなスペースは無かったはずだが、、、。とにかくこの日の相馬のポジション取りは良く、カザフは彼に余裕を与えすぎたということ。そして、相馬へのパス出しが良かったこと。相馬には、前目の早いボールの方が良いと思う。そして、アーリー気味のセンタリングが持ち味だと思う。それが嫌で相手が詰めてくれば裏へ切り返し、抜け出すことも容易になるのだから。彼に、もう少し早さと正確性それにスタミナがあったら凄い選手だと思う。でも、この日の相馬は楽にプレイしてたと思う。余裕があった。自信が甦ったのか?
この日の良かった点にデフェンスラインが下がらなかった事があると思う。さすがに後半のゲームが決まってからは個人のミスは出たが、試合を通してのラインは見事だった。特に秋田の自信に満ちたマークは安定感があり、井原、山口のバランスも良かったと思う。そして、下がらずオフサイドを取れたことが大きい。もしイラン相手に成った場合の大きな自信に成るだろう。でも、あの二人はランクも違うが、、、。とにかく、ズバレフが交代したところで秋田の勝ち。ディフェンスが安定すれば攻めも利いてくるものだ。井原のラインが機能したは、大きな自信だと思う。それはつまり北澤をはじめ前線のプレスが良く利いてた為なのだが。韓国を破ったのが大きな自信なのだろう。
問題点。あれだけ楽勝の流れの中、それでも中盤の運動量が落ちるとパスコースが減る。囲まれ取られてのファウル。試合での流れで何回かはある場面をどう防ぐかなのだが、、、。日本の失点の場面。ファウルも自分達のミスから。で、問題は「壁」の作り方。ニアサイドに壁を立たせファーサイドを川口。ラインを作ったところに高木が。北澤と入れ替わりファーサイドの2番目の壁の中に。川口の所からキッカーは見えなかったはず。あの壁の作り方はダメ。壁の作り方の練習してなかったみたい。高木が久しぶりだから?川口の指示の問題だったと思う。シュートに反応さえ出来ず見送ってしまった。すごく大きな問題だと思うが、、、。これからも同じ場面があるということ。そして、川口の控えは出来てるのだろうか?彼任せのようだが、どうも最近の川口は頭だけの様な気がする。彼はスランプなのでは、、、。安定してとは思えないのだが、、、。
それと右サイドの出来が良くなかった。名良橋と中田は最後まで合わなかった。左サイドの組織に比べ右サイドは組織が出来てない。名良橋のポジションの問題だと思うが、攻めの時に代表は左サイドに寄る癖があり、右サイドは名良橋の上りが早さだけで、タメが足りない気がする。アントラーズではビスマルク、ジョルジーニョというタイミングを合わせてくれるパッサーがいて揺さぶりから良いタイミングでパスが出るが、中田のパスは割と速めのパスを出すので名良橋にとって出してくれるタイミングが合ってない気がする。でも、名良橋個人は、中に入ってのシュートは形を持っているし、もう少し前がタメを作ってくれれば、充分機能すると思うが、、、。代わって入った中西はフィットしなかった。抜かれる場面もあり、右サイドが相手の攻めのポイントになってしまった。どうも深めに守る癖があるようで、折角のラインを下げてしまった。柳本の方がスピード、守り方も上だと思うが。
試合は5対1で終わった。失点が残念。崩された失点ではないが、それだけに防いで欲しかった。監督が代わり一応結果は、ここまで出た。しかし、この1週間が日本サッカー史上初の快挙までの1番大事な1週間になった。11月12日の結果で相手が決まる。イランかサウジアラビア。どちらも強豪だと思うが、イランは休養充分だが監督が代わった。サウジアラビアは、苦戦続き。どちらも弱みはある。しっかり相手を研究して欲しい。そして、流れは日本に向いてると思う。岡田監督もチームも落ち着いた。日本のトップは誰で行くのか?ラインは上げられるか?右サイドの修復etc。次の試合がドーハからの長い道のりのいよいよ集大成になるだろう。その先のオーストラリアまでは必要ないと思う。次で決めるべきだ。頑張れ日本!!