W杯予選 南米地区
ブラジルvsアルゼンチン 00/7/25 サンパウロ・モルンビータジアム
2002年の日韓共催のワールドカップの予選が各国で始まった。楽しみな南米予選。今回はブラジルも久々の予選からの登場だ。だが、監督もルシェルブルゴに決まったものの何か物足りなさを感じてのスタートだった。おまけにこの戦いの前にはあのチラベルトのパラグアイには負けてしまったのだ。一方のアルゼンチンは好調な滑り出しで、このブラジルホームでの戦いは注目だった。
試合はブラジルが久々にドリブルを多用してリズムを作った。アレックスとロナウジーニョの中央突破は久々にブラジルらしさを感じた。問題になっていたカフーの代役エバニウソンも右サイドをドリブルで駆け上がって良い場面を前半よく作った。中盤でのボール支配を有利に保ったので攻撃が良いリズムを出していた。僕の嫌いなリバウドも頼もしさを少し感じたし。
試合開始のファーストプッシュが終るかと思ったときあっけなく先始点が入った。それも何と足技師の小柄なアレックスのヘディングで。コーナーキックからのスクランブルを外に開いた所にこの日の僕のMVPのアントニオ・カルロスがいて、簡単にファーサイドにロブを上げたところにアレックスがフリーで待っていた。完璧なロブに完璧なヘディングでのゴール素晴らしい。でもアレックスってヘディングの練習なんて絶対してないと思うけど、、。簡単にアルゼンチンゴールを破るのが凄い。
試合はそのままブラジル有利で進む。アルゼンチンのリズムが悪い。特に大好きなベロンの動きもパスもこの日は非常に出来が悪い。攻撃の組立が出来ないからボールが動かない。単発でオルテガのドリブルからの攻撃が出るが怖さがあまりない。それでも何度かのブラジルの危ない場面でアントニオ・カルロスが素晴らしいフォローでピンチを凌いでいた。シュートコースを防ぐ上手さは流石。
前半の終了間際に試合が大きく動いた。ブラジルの2点目は中盤のパス交換から生れた。アルゼンチンのいつもは強いプレスがこの日は何故か空回りしていつものファールで止める場面を簡単に突破される。ゴール前でフリーでボールを受けたアレックスが強烈に左足でボールを弾く。ボールはキーパーのボナーノの正面だったがボールが全然回転してないシンをとらえたシュートだったので弾くのが精一杯だった。そこに詰めていたバンペッタが上手くゴールにボールを流し込んだ。この2点目は素晴らしいゴールだった。
だが、ブラジルはそのキックオフのボールをノーホイッスルで簡単にアルゼンチンにゴールを許した。それも簡単なワンスツーで。今のセレソンの最大の弱点のセンターバックの問題。この日はホッキ・ジュニオールだったが簡単にスピードで抜かれた。大きな空振りもあったし、、、。去年のトヨタカップでのミスも思い出される。前を向いてる時は良いが揺さぶられると弱いのが目に付く。アントニオ・カルロスがカバーに入る分、ボランチとこのセンターバックのカバーも問題は今後の課題だろう。
前半を2対0で終えるのと2対1で終えるのでは大違いだ。この辺がサッカーの面白いところでもあるが点がどちらかに入ると点がまた入るものだ。人間の心の問題なんだろうか?とても面白い。まぁ、この時点僕の気持ちは動揺したのだが、、。
後半の始まりにアルゼンチンの右サイドからのセンタリングにクレスポが飛込む。このレベルの試合は「流れ」があるが一瞬にしてゴールが生れる事がある。この場面でもアントニオ・カルロスが身体を張って詰めていた。素晴らしい。この日アントニオ・カルロスの「読み」は素晴らしいかった。ゴール前でのピンチでは必ずと言っていいほど最後の場面に登場していた。凄かったな〜。
セレソンの3点目は個人技だった。右のペナルティーエリア付近でアレックスがボールをキープして、それに合わせてはいってきたバンペッタがシメイネを振り切ってのゴール。アレックスの左半身でのキープは恐ろしく懐が深く、あの身体なのにボールを取ることが出来ない。あれだけスペースが無いところでボールをキープして味方の良いところにボールをさばいた上手さは凄い。このキープとドリブリがこの日かなり効いていた気がする。やはり個人技は大事だ。そして、「早さ」ばかりの時代こそ、「個人の上手さ」が大事な時代だと僕は思う。このゴールで試合は決まった。この得点の後は時間だけが過ぎて行った気がした。
結局アルゼンチンはこの日はバッドデイ。攻撃が良い形が出来ないまま終った気がする。特に中盤からの飛び出しがこの日は殆ど無く、攻撃で崩せたのはほんの数えるほどしか無かった。これがサッカー大国ブラジルの凄さなのだろうか。あれだけ出来の悪かったブラジルがホームのライバル国との戦いでは凄いチームに蘇るのだから。やはりそこには「何か」が違うのだろう。
まぁ、これで終ったわけでは無くアルゼンチンでの戦いもある。まだまだだ。その時はまた凄い戦いが待っているのだろう。でも、こんな戦いが地球の反対側の日本で生放送で観れるのは至極幸せである。さぁ、まだまだこれから楽しみ楽しみ。
ブラジルサッカーに久々に酔いしれて最高の夜。