フランスワールドカップ予選

 1997/10/ 4 加茂監督更迭

遅すぎた!!

全てが終わったわけではない。でも、遅すぎる。あの日、長沼会長が言った「フランスに行けなければ、私が辞める」という難解で全くの意味の無い言葉。全てはあの日に掛け違いが始まったのだ。

もはや今となっては、どう足掻いても戻れない「時」を費やしてしまったのだが、ネルシーニョ、ベンゲル、オフト(個人的には、ダメ)の3人の中から選ぶべきだった、絶対に。強化委員会というもの作っておきながら、その報告書を蔑ろにした罪は永久侵犯だと思う。そして、取り返しの出来ないことをしたのだから。アマチュアのアマチュアの為のオリンピックだった時の銅メダルにとらわれすぎなのだ。もはやJリーグが出来、選手はプロの監督の指導の元、世界を戦った選手とプレーをしてるのだ。それでも中心選手が外人の為、まだまだ日本人は伸びて行かなくては世界では、戦えないのだ。

加茂さんが監督をやるが90年の時、横山監督のあたりだったら最高だっただろう。学閥、代表に選ばれてなくてはいけないなど、まだまだ暗い時代に唯一日本人としては「監督」と呼べる人だったと思う。あの後オフトという日本サッカー界の伝道師監督が選手に戦術を教え、初めて日本人が戦える手ごたえ掴んだ。その後のファルカンは、協会との意志のズレでクビ。ここがポイント。ファルカンの選んだ選手が爽快だった。それは今までの選考基準を全く無視したファルカンの目で選んだこと。この時、すでに3バックを試してるし、テル、沢登など若くこれからのチームを考えてる気がしたのだが協会は、あくまでも日本で行なわれた「アジア大会」用だったのだ。この判断が難しかった。でも結果は韓国に負けた。井原のシュートで追い付いたけど、、、。

問題は川淵が力を持ってたことだ。サッカーファンは、外人(日本人以外)へのコンプレックスは少ないと思う。小さい時から外国人のプレーを見てるのだから。そして、それは監督、プレーヤーも然りでどんどん吸収したいと思うものだ。上手くなりたいし知りたいのだ。メンタル、テクニック、戦術etc.

時代はJリーグが出来て外国人が多くなって各チームには必ずいる。そんな時に「言葉の問題」でファルカンをやめさせて加茂さんにした。「サッカーをやるのに言葉は要らない」って言ってたのは岡野さんのはず。とうとう流れと逆行して日本人監督になったのだ。

そして、忘れもしない95年11月22日の監督問題での長沼会長の冒頭の言葉。この国のサッカーは伸び始めてるけどそれを仕切る協会は最低だと思う。


時が流れフランスワールドカップ予選。加茂ジャパンは1年前の勢いは伏せ失速した。そこで今更の問題を出されても遅いのだ。長沼個人の問題で無いのは明確だったはずだし、強化委員会を無視した罪は10年はかかるだろう。

加茂ジャパンの最近の戦いは、勝ち運に見放されたのが原因だと思うけど、チームでの決め事を忘れてしまったことだと思う。そしてチームで勝ちに行くことを忘れたこと。同じ指導者でこのレベルでやるには、3年が良いとこだと思う。監督の言うことを理解し、ゲームで実践していくにはある程度時間があれば良いが、出来上がったチームを持続させるのが大変だと思う。その意味でも加茂ジャパンのピークは去年だったのでは、、、。ビルトアップの為のオプションを試す機会が少なすぎたような気がする。勝ちゲームの守り方、リズムを変えたいときの選手交換、選手の組み合わせetc.

岡田コーチが監督になったみたいだが、僕は監督ってやっぱり「カリスマ」だと思うから、今の日本では絶対外国人が良いと思う。それもブラジルでは無くヨーロッパ型のフォーメンション重視が合う気がする。勿論ジーコの「カリスマ」は凄いけど、彼はプライドが高いからリスクを背負うものはやらないと思うから。

とにかく最悪のシナオリは進んだのだ。長沼さんも辞めるらしい。あの時彼らが考え違いをしてなければ、本当に歴史は変わってただろう。それだけが残念だ。

今はとにかく次を勝たなくてはならないのだ。頑張れ日本。