7月 14日(火) 朝

 悲しい結末




決勝戦が終わった。まずはフランス初優勝おめでとう。最高の試合だったと思う。地元での初優勝は今後長い歴史でも燦然と輝いてゆくだろう。ジダンの待ちに待った得点で乗ったチームが、前半のロスタイムでの得点で自信がつき、デサイーの退場でのハンデも乗り越えての完勝。もう何も言うことがないだろう。プラティニを持って為てでも成しえなかった栄光を見事に射止めたフランスチームには、最高の栄誉が与えられたと思う。

一方のセレソン。本当に何をやってるの?って感じ。準決勝で見せたザガロの涙が全てじゃないかな。あの試合でこのチームは終わってしまったようだ。この日の攻撃陣は何を目的にサッカーをしてるのかさっぱり分からなかった。フランスがチームで勝利に向かってひた向きに結束してるのに、この日のブラジルは個人のサッカーで対抗してるようで、まるで「チームの結束」対「個人のプライド」って試合になっていた。個人での突破は時として意外性があるのが、止められたときの回りのダメージは大きい。この繰り返しがブラジルを追い詰めていったようだ。

個人の問題は確かに大きいと思うが、最悪の選手が多すぎた。まるで自分にかけた呪文にもがいてるようにドリブル、トラップミスのオンパレード。チームでの打開は皆無だった。ロナウドの問題は大きかった。フォワードを連れていかなかった理由は、ロナウドにかける夢が大きかったのだろうが、この日最悪の出来のロナウドを代えられなかった代償は大きい。ロマーリオがいたら、ひょっとしたのだろうか?結果論だが、、。また、中盤の出来も最悪だった。リバウド、レオナルドは殆ど攻めの形すら作れなかった。ブラジルの中盤がボールを必ず止めるので流れる攻めが出来ずじまいだった。おまけに前が詰るのでボールはキープ出来るが出せる所が無く苦し紛れのパスは精度が悪く簡単に相手ボールになった。ブラジルの攻めにアイデアも芸術も無く怖さが全く無かった。こんなに出来の悪いのも見たことが無いほどだ。

フランスの中盤のバランスが非常に良く、ブラジルの攻めが時間がかかってしまったのも大きいと思う。おまけにトップのロナウドは動かず、ベベトは中盤まで引いてリズムを出そうとするがボールが回らない。二列目の飛び出しもこの日は全く無く、闇雲のドリブル突破ではたとえ抜けてもゴール前には壁が出来ていたし、折り返しの精度も今日は悪かった。期待したロベルト・カルロスのFKもとうとう火を吹かなかった。飛び道具がフランスで湿気ってしまったようだ。

この試合ジャッケ監督の狙いが的中したのか。大きかったのが先始点を取れたこと。そして追加点を良い時間に取れたのもチームに勢いを出させたと思う。特に後半の20分過ぎにデサイーが退場に成った時が、この日最後のブラジルのチャンスだったと思が、出てきた選手がエジムドでは、、。モロッコ戦を見たかぎりではこの大会のエジムドはキレが無く二度と出番はないと思ったが、この大事な場面での投入には首をかしげた。まだロナウドとの関係で、ジオバンニを入れ高さも考えた攻めを考えたほうが良かった気がする。それもまた結果論だが、、。

何を書いてもブラジルが決勝で敗けたのが事実だ。それがやっぱりすぐに理解出来なのだ。78年の無敗での敗退。82年のたったひとつのミスでの敗退。86年不運のPK敗け。90年の一発の交通事故。94年の優勝を考えると74年まで遡らないとブラジルのワールドカップでの完敗は見れないのだから。3対0というスコアも1点も取れなかったという事実も信じがたい。戦前に僕は逆の得点差を予想してたくらいだ。それくらいに両チームの差はあると思ってた。ロナウドに頼る所が多かったと思うが、先始点を取ればフランスが攻めようとした裏を容易に攻めれると読んだから。まるで速攻で3点目を取ったフランスの様に。



話がとぶが今回のフランスワールドカップの準々決勝まで現地で観てきて本当に好試合を数多く観てきた。息詰まる好ゲームがあった。「パラグアイ対スペイン」「イラン対アメリカ」「ルーマニア対コロンビア」そして「アルゼンチン対オランダ」などなど。みんな準決勝とか決勝とかには埋もれてしまう試合かもしれないが、僕の中では明らかに詰らなかった決勝よりはずっと輝いてるのだ。今大会僕の観たベストゲームは「パラグアイ対スペイン」だったと思う。次は「ブラジル対オランダ」だろうか。やはり拮抗した試合には魅力が多く感じる。もっとも0対3で敗けていても自信満々で応援してたスコットランドの応援も忘れられないが。

決勝戦は僕の思惑と大きく懸け離れたことで本当に残念な結果になってしまった。フランス国民とフランスファンには最高の大会に成ったのだろう。僕はこの大会は忘れられない思い出が一杯詰ったものだが、決勝戦を高いお金を出して観なくて本当に良かったと思う。決勝戦を1試合観るよりその金額で予選リーグを3試合観れるのなら、そっちを選ぶだろう。多くの国々のいろんなスタイルのサッカーを観たいのだ。それに「決勝に名勝負なし」だとやはり今回も思ったから。僕はやはり生き残りをかけた試合を観る喜びを忘れられないだろうし、これからも追い掛ける試合は決勝より隠れ名勝負だろう。それが僕のワールドカップの見方だ。ワールドカップの見方は自由だし、サッカーそのものも自由のはず。サッカーの魅力に取りつかれ、揚げ句ワールドカップに出会ってしまった自分の人生にも98年フランスワールドカップの思い出は決して忘れることの出来ない思い出として残っていくのだろう。ワールドカップフランス大会の終焉。

あ〜あそれにしても決勝戦のブラジルは〜情けない。