忘れられない日 1997/7/14

僕はMacintosh PowerBook 5300cを使ってる。仕事の友として遊びの友として日本中のツアーに携帯してる。旅先での通信は、仕事での疲れを癒してくれるとても大事なアイテムだ。仕事が終り打ち上げも終れば、部屋で寝るのが通常だが、これからが通信の時間 なのだ。メール、情報、そしてNGPのパティオ。それらを読むことで1日が終るの だ。無論、寝る時間が無くなるのだが、止められない。

メトロトロンワークスの10周年イヴェントが名古屋クアトロで終り、スタッフ、メン バーというより鈴木慶一、鈴木博文の両氏とカラオケに行き、盛り上がり、部屋に帰ってきたのが午前3時30分。通信を始めながら、明日の事を思う。明日はオフだ。サッ カーを観に行こう。Jリーグの終盤の戦い、そして今期最後のジーニョとサンパイオの フリューゲスを観る最後のチャンスだ。おまけに横浜ダービーだ。天気が気になるが、 晴れて欲しい。通信も疲れて午前5時10分寝る。

翌朝、名古屋は雨。東京のイケ(注、ワールドカップ観戦記)に電話。東京も雨。コン ピューターに雨(水)は、禁物だ。どうしよう。2時間後も雨と思いまがら新幹線に乗る。寝る。

間もなく「新横浜駅」というところで目が覚める。窓の外は激しい雨。諦めて東京駅 へ。東京駅からイケに電話。「行く?」「どちらでも」「どっち」「当日券900枚あ るみたいです」「でも、雨は辛いから中止」となり家路に着く。井の頭線の渋谷駅で、 力も抜けガラガラの車両へ。網棚に少し疲れ始めたエルエルビーンのコンピューター用ディパックを置く。勿論PowerBook5300c入りだ。これからの夏には、ちいと暑苦しいが とても気に入ってるのだ。そして、名古屋で買った「新快適POWERBOOK生活'97」を読む。P210には、我々のNGPのインターネットオンラインの事も出てる。興味のあるところを読み始め、気がつくと「浜田山」。降りなきゃ。お土産と本を持ち、慌てて降 りる。 テレビのサッカー中継まで時間があるから、床屋にでも行こうか、その前に腹拵え。ラ ーメンを食べ立ち上がり店外に出たとき、鞄が無いことに気がつく。店に戻るが店にない。駅に戻り、改札口で調べてもらうが30分待って、全車両無しとの事。前後の電車 も調べて貰うが、やっぱり無い。「黒い鞄」には、PowerBook5300cが入ってるんだぞ ー。すると、盗まれたんだと言われる。ショック。よくあるとも言われ更にショック。 一応警察に行く。2〜3週間は係るだろうと言われる。

諦めが着かない。浜田山から吉祥寺までの各駅をホームと改札口をチェックするが見つからず、断念する。 何か見つかれば電話を貰うことで納得し家に帰る。

次の日は、九段会館にて9年ぶりの「メトロトロンワークス」のライヴ。気持ちが入らないが僕もプロだ、 頑張ろう。でも、出演者も僕がリハーサルから使ってるパワーブック5300c無くしたことを知って慰めを言 ってくれる、嬉しいものだ。でも、戻らぬパワーブック5300cよ。あーあ。

帰りに渋谷駅で昨日(12日)の忘れ物を聞くが無い。もうダメだ。取った奴許さないぞー!!

今日(7月14日)午後3時。忘れ物の確認日だ。土曜日の忘れ物は月曜日の午後3時 に「明大前」の忘れ 物センターに集められるそうだ。長い長い時間が過ぎ3時がやってきた。気持ち的には、諦めてた。電話を 掛けても「無い」って言われるだろう。でも、電話をしよう。30回位呼ぶが誰も出ない。出た。

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見つかった。土曜日の拾得物扱いで。どーなってるの?あの日の捜索は、なんだっただ ろう。教えてくれ。 寝ないで電話を待ってたのに。日曜日も連絡無く。2日間僕は、七転八倒したのだ。見つかった事には素直 に感謝するが、誠意を以て探してくれたのだろうか?どうして、全車両無いと言えたのだろうか?始めから 盗まれたように言ったあいつの顔は忘れないぞ。

全て見つかったから忘れることにしよう。全ては、忘れたのは自分だし、自分がいけないのだから。

網棚には、気を付けよう。良い勉強をした。何も失わなかったのは奇跡だし、全ての事 に感謝しよう。慰め の電話、言葉を掛けてくれた友人達よ、ありがとう。感謝します。心強かったです。何も根拠が無いのに ね、、、。嬉しかったよ。本当にありがとう。

さぁ、寝よう。良い夢を見ながら、、、、。