怒りのハットトリック 99/1/23の出来事

焦っていた。高速道路の渋滞が予想以上で。今年最初のシニアの試合があるので余裕を持って家を出たのだが、途中で事故渋滞に巻き込まれてしまったのだ。行き方を変えて湾岸を抜けて、どうにか予定時間にたどり着いた時だった。この試合会場に行くのは4度目位だったが、最後の曲がり角(もう右手にはグランドが見えてる)が実は左折禁止なのだ。去年は1回くらいしか行っておらず、長時間の車の運転でのイライラ運転から脱出したくて、曲がってはダメなのを知っていたが前後の車の状況から勢いで曲がってしまったのだ。

その時だ。あっ!お巡りだ!!

後の祭り。左手に赤色灯を持ったお巡りさんが「いっらしゃい」のポーズ。うわっ〜。どうしよう。案の定「ここは曲がっていけないんだよね〜」「知らなかったです。初めての道なもので、、、」ヤバイ、実は累積反則点が確か5点のはず。ここで捕まれば免許停止(免停)決定だ。懸命に謝る。ただひたすらに謝る。でも、そのお巡り曰く「あなただけを許すわけにはいかない」当たり前だと思いながら、それでも謝る。その時、曲がっていく車が、、、。でも見ないふりをするお巡り、、。あ〜運が無いな〜。本当に年末からのこの運の無さ。諦めることに。人身事故、飲酒運転でないのだから、、。切り替えようと、、、。

反則金を「7000円」と書き込んだ時、もう一人のお巡りが「それは9000円だよ」と言う。もうどうでも良いから早く書いてよ。早くサッカーをしたいんだから。こいつらのタラタラさにはイライラするぜ!!



逃げるように試合会場へ。チームメイトに今の出来事を話す。異口同音で「あそこで捕まってたのか〜」。あそこで曲がらないと環状7号線に出てしまうので、絶対に曲がるのが許されるべきだよと主張する。道を知ってる人間なら回り道も分かるが、年に1回来るかの僕には難解な曲がり角なのだ。あ〜曲がらなければ良かったのにな〜。気持ちを切り替えて着替えてグランドへ。

グランドのラインを引いて試合準備をしてる、その時、場内放送で呼び出される。何だろう?何でも受付に誰かが来てるらしい。行ってみるとさっきのお巡りがそこに居た。

「すみません。さっきの反則金が7000円だったのです。本当に申し訳ない」今更どうでも良いことだ。そんなこと。今はもう試合に向けて気持ちを切り替えてるときなんだから。「はい、分かりました。何処にサインをすればいいの?」この日2回目の書類だから馴れたものだ。書き終える。そると前の書類を返して欲しいと。車の中にあり車の鍵を今持ってきてないので、自分で破棄するからと書類を貰おうとしたら、それは出来ないと。でも、グランドまで戻るのも大変だし試合開始まで時間が無いのだ。まったく面倒なお巡りだ。「どのくらい時間がかかりますか?」と言うので「そうだな〜1時間半」と答える。だが「待てない」と。黙って俺の試合でも観ていけ!!ボケ!!

結局、埒が明かないのでグランドまで車の鍵を取りに戻り車まで取りに行くとそこで待ってるお巡り。ただ、ひたすら謝るお巡りさん。「ねぇ、お巡りさん。あなたも間違えがありますね。僕も間違えました。でも、あの時、お巡りさんが曲がろうとする僕に気が付いていたんだから、止めてくれれば僕は曲がりませんでしたよ。人間には間違えはありますよね、でもその間違えに気が付いていたら、その前に教えるべきだと僕は思います。間違えるのを待って、罰則を与えるのは許せないな。気が付いた時に注意を与えるべきだと僕は思いますよ。僕はあなたのミスを許しましたが、あなたは僕を罰するのですね」黙り込むお巡りさん。反則金の間違えを修正しに来たこのお巡りさんが律義なのか、、、。思ったことをはっきり言ってしまった。何も変わらないのに、、。



試合が始まる。我々は9人だった。相手は1部に上がってきたチームだった。口うるさく激しいタイプのチームだった。開始早々にミドルを決められ攻められない。殆どボールを支配される。リズムを変えないと、、、。10分を過ぎて相手の足がようやく止まった。相手の守備ラインはフラットで4人。うちはそこにワントップ。早いボールを当てればチャンスがあると思ってた。たった1回のチャンスがやって来た。良いボールが篠田から出た。トップの中條の横をすり抜けると頭で良いボールを落としてくれた。後はキーパーと1対1だった。同点だ。

後半が始まる。開始早々コーナーを得る。中條の後ろに何かあると思いゴール中央のゴールエリア上に立っていた。笊畑の見事なボールが僕を目掛けて来た。夢中で頭を振ったらボールはバーを叩いてゴールへ。頭での公式戦でのゴールなんて何年ぶりだろう。それもセットプレーからのヘッドなんて、、。2対1になる。行ける。

3点目は思いっ切り蹴り込んだ。サイドに流れた水澤からのセンタリングを中條がトラップ、そのボールをダイレクトに蹴り込んだのだ。中條は最後まで悔しがったが、良いボールをありがとう。ハットトリックだ!!公式戦での3点なんていつ以来だろう。チームメイトも喜んでくれた。



試合は3対1で終わった。左折禁止で捕まりモヤモヤしてた気持ちがこの試合で少しはふっ切れた。年末からの不調は続いてる。必ず良いことが明日は待ってると思い頑張ろうと。

免停の通知はいつ着くのかな?