2006/ 9/ 7 夏が終った

何かと今年の夏もいろいろな事があった。

今年の夏は2つの野外フェスティバルにMOONRIDERS(ムーンライダーズ:鈴木慶一、岡田 徹、武川雅寛、かしぶち哲郎、鈴木博文、白井良明)の仕事で行った。1つは「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO(以下ライジング)」でもう1つが「MONSTER baSH 2006(以下モンスターバス)」。北海道と四国の野外イベントだったけど、驚いたのは観客のライブといういうかイベントの観方が凄く良かった事。どちらも8年とか7年も続いてるフェスで観客がしっかり自分達の観方を身に付けてる感じがした。ライジングの方はステージが何ヶ所もあって、観客はスケジュールに合わせて移動して自分の観たいバンドなりアーチストを観る。モンスターバスの方は2つのステージで交互にライブがあり、観客は観たい方に移動する。

苗場で行われてるフジロック・フェスティバルもそうだけど大きい敷地に大きさもいろいろあるステージを数ヶ所創り、多くのアーティストを集めて、各キャパシティに合わせてライブを行う形式が日本にしっかり伝わったんだな〜と感じた。そして、ステージから遠く離れた小高い丘からステージを観て、上空の空を観ながら音楽に浸ってる若者が多く、出店などの雰囲気もとても盛り上がって「ひと夏」を楽しんでる感じがした。時代は確実に変わった。そして音楽を聴くスタイルも確実に変わった。今後、このフェスのスタイルがもっともっと根付くように祈ってる。そして、僕も少しでもこのフェスに参加出来るように頑張ろうと思う。

さて、その出演したムーンライダーズがことし30周年を迎えてて精力的に活動してる。僕は1992年のライブから舞台監督として参加させてもらってる。今年の4月には日比谷野外音楽堂で多くのゲストを集めて素晴らしい30周年ライブを行った。また、10月から11月にかけてツアーもあり、ファイナルは新装になった渋谷公会堂で11月24日に行う予定。ついでながら昨年、メンバーの鈴木慶一さんと弟の鈴木博文さんのユニット「THE SUZUKI」にバイオリンの武川雅寛さんが参加したDVD「Preservation Society」は100人だけ の観客限定ライブの貴重な映像作品で内容も構成も演出等も共々大傑作のライブ作品だと思う。
今バンドはレコーディング中でそれを中心にツアーを行うが渋谷公会堂ではどんなライブが出来上がるかとても楽しみにしてる。もっとも内容も演出もこれからなので頑張らないと。

先日横浜で「ゆず」の岩沢厚治と久々に飲む約束をしていて、近々に予定されてる三代目魚武濱田成夫さんのレコーディングの為に渋谷のヤマハで買い物をしてる時だった。「さささ〜ん!」何処かで聞いた声がするなと思ったら河口修二だった。久々なので近況話に花が咲いた。で、「そうだ、今夜岩チャンと飲むよ!一緒に飲まない?」って誘ったら躊躇なく快諾!そのまま東急東横で横浜に直行。美味しい酒と美味しい食事を頂ながら「シュウジコウジ」は大盛況に!本当はロスにギターを買いに行く話だったのにな〜?三人集まるとギターの話で大盛り上がり。近々に楽器屋巡りをする約束をして解散。皆、大人になりました!

その飲んでる時に電話が鳴って懐かしい人からだった。何でも8月28日にライブがあるんだけど「ゆず」も出るんだけど手伝ってくれないか?と。以前、ギターのDr.Kこと徳武弘文さんのメーリングで、そのコンサートのある事は知っていたけど「ゆず」が出演するとは知らなかった。本人が目の前にいるので尋ねたら出るとの事。ありゃりゃ、、。知人には見に行きたいけど仕事としては大御所が多くて、とても準備の期間が無いので無理と話して電話を切った。

明くる日に別人からも電話が来た。チャリティーコンサート。時間も無く、殆どのスタッフが知り合いで、出演者の殆どとも仕事をした仲だったのとその本人である「吉野金次」さんとも何度か仕事をご一緒させて貰ってるので、お手伝いをする事にした。内容を聞いて、自分なりに筋道を立てたのだが「ゆず」の出番が後ろの方だったので気になり嘆願して出番を前にずらしてもらった。当日は公開リハーサルもあり、時間との戦いだった。あくまでもチャリティーなので自分の色を出さないように皆の意向を聞いて進行した。20年振りに一緒に仕事をする仲間もいたりして、それなりに緊張感もあって楽しめた。

そして、大御所達の登場。矢野顕子さんとの再会。ある時期舞台監督をさせて頂き、その時に名盤「SUPER FOLK SONG」にも参加させてもらった。その時のエンジニアが今回のチャリティーの目的である吉野金次さんとの出会いでもある。吉野さんは素晴らしく温和で、いつもニコニコしてて見守ってくれてる方。SUPER FOLK SONGの収録の時は、ピアノ選びからセッティング、そして録音はピアノと歌だけ。何度も取り直したりの緊張感。映像も撮っての同時進行。今思い出しても緊張してしまう。そんな中で吉野さんの優しさと冷静さは忘れられない日々だった。他の現場では今は無き「たま」だったり、友部さんの収録だったりで何度かライブでご一緒させて貰った仲でもある。その吉野さんが今春に倒れられて、その元気な姿を見せれるまでのリハビリの為に少しでも役立つ事をしようというのが矢野さんの呼び掛けでの今回の目的である。

矢野さんのオーラには会う度にやられてしまう。でも、素敵な方である意味完璧なプロと女性らしい面とが同居してる感じ。今回の言い出し人。流石でさる。矢野さんの呼び掛けで、細野晴臣/浜口茂外也/伊賀航/鈴木惣一朗/高野寛/高田漣/コシミハル/徳武弘文 、ゆず 、友部正人 、井上陽水 、大貫妙子 、佐野元春 (敬称略。出演順)の錚々たるメンバーが病に倒れた吉野金次さんの為にライブに参加した。細野さんとは数年ぶりにあった。そのサポートに徳武さんがいて久々に再会した。ここ何年か一緒に仕事が無いので残念。ナッシュビルでお世話になって以来かも。またライブやりたいです。陽水さんは本当に飛び入りだったし、久々の高野君も本番だけの飛び入りだった。友部さんとも昔ずっと企画モノのライブを一緒に続けていた時期が有ったので懐かしかった。佐野さんはリハーサルも無かったので本番直前に来て打ち合わせをした。毎回その打ち合わせの進め方には独特で説得力があり、こちらも乗せられてしまう。素敵です。

本番での「ゆず」の緊張感は凄かった。完璧のアウェイ!殆どが初めて「ゆず」を観る人達。300人だけど音楽的にも耳が肥えてる観客の前での演奏。静まり返った中、悠仁の「緊張する〜」のひと言で雰囲気が変わった。出番も変えて良かったし1曲だけど全力で演奏して二人が良かった。あの雰囲気の中で、もっとも若いアーチストが思い切り唄う姿をさらけ出すのが良かったと思う。敢えて出演する事も出て得る事も出ないければ解らない事だし。それを見守ってくれた観衆は流石に大人だったと感じた。最後に吉野金次さんには1日でも早い復帰と元気な姿をまた見せて欲しいと願うばかりだ。また一緒に良いもの創りましょう!!

ライブが終って全ての撤収が終ってから、懐かしい連中と今回の制作をした連中達と自主打ち上げをした。先日、高橋幸宏ライブ 1983 ボーイズ ウィル ビー ボーイズというDVDが発売された。この当時のライブとしては素晴らしいライブで、この時期一緒に仕事をしてた仲間だったので懐かしく昔話が盛り上がった。因にこの DVDに出てくる若かりし自分があまりに今の自分と違うので驚いた。この夜の打ち上げは最高だった!お手伝いをして良かったと。良い夜だったな〜。

そんなこんなで今年の夏も終ったな〜。ところで明日誕生日だな〜!

                                     2006年9月7日午後8時。目黒の事務所にて