Victor HC-6 の MONITOR ケーブルの自作


ハードオフで Victor HC-6 という MSX(1) を発見しました。しかし、ケーブルを含む他の周辺機器が何もありません。仕方がないので、とりあえず MONITOR ケーブルを自作してみることにしました。

※注意:ケーブルの自作は自己責任で行ってください。実践した結果のトラブルについては、当方は一切の責任を負いません。


材料

材料には以下のものを使いました。

その他、テスターやハンダゴテ、ハンダなどの工具は省略します。


理論編

自作にあたっては、まずは情報の収集から始めることをおすすめします。このように古いハードウェアでは、Web 上に何らかの情報が存在している可能性があります。まずはそこから始めましょう。

Victor の MSX は、YAMAHA と同様ミツミ電機の OEM である、と Wikipedia にあったので、YAMAHA の MSX の情報も参考になるでしょう。「○○互換」という情報も重要なのです。

自分が調査した時点では、そのものズバリの情報はありませんでしたが、以下の情報が得られました。

……ということは、特別な外部回路を組む必要はなく、コネクタの変換さえ出来ればいいということになります。ただし、DIN 5ピンのピンアサインに関する情報は得られなかったので、これは自分で調査するほかありません。ピンの数が少ないことと、信号の見当がついていることから総当りでも十分でしょう。

一番簡単に調べられるのは、+5V と GND です。これは MSX の電源を入れ、各々の端子間にテスターを当てることで普通に調べられます。

残りの不明な端子は 3本になるので、ここから先は TV を使って調べます。接続を間違ったことで TV が壊れることはないと思いますが、念のため「壊れても惜しくない」TV でチェックすることをおすすめします。ピンプラグの外周を GND に、中央を不明の端子に当て、画面が表示されることを確認します。DIN コネクタから信号を引き出すのは少々面倒なので、工夫が必要です。

映像端子が判明したら、音声端子は BASIC で音を出し続けて特定するのが良いでしょう。こんな具合で十分です。

10 PLAY "v15 cdefgab"
20 GOTO 10
RUN

そんな感じで調査した結果、このように配線すれば良いらしいことが分かりました。

配線図
  1. +5V
  2. GND
  3. AUDIO OUT
  4. VIDEO OUT
  5. NC

市販のビデオ・音声ケーブルの片側のコネクタを切り離して、同軸ケーブルを加工し、この回路図に合うように配線すれば、これで専用ケーブルの出来上がりということになります。

なお、YAMAHA マニュアルライブラリーから CX5 (YAMAHA の MSX) のマニュアルをダウンロードできたので、それの仕様と突き合わせて確認してみました。5 番ピンは NC だったんですね。


実践編

TV接続例

TV 側はこのように、よくある RCA ピンプラグのビデオ・音声端子です。もう反対側は DIN 5 ピンに加工されています。

BASIC画面

自作ケーブル経由で MSX BASIC を表示させたところです。

ROMソフト画面

自作ケーブル経由で ROM カートリッジのソフトを起動させたところです。


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