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馬来通信 その1"無断転載"
2001/4/30

========== プロローグ ==========
「じつはまだ帰ってません」
受信日時:2001/04/29 01:22:09

ども、日本はゴールデンウィークですね。

でも私はまだ日本に帰っていません。
今はマレーシアです。
前橋に帰るのは5月3日の昼頃でしょう。

キャンプには行けるかな?
不安が・・・

再見(^-^)/~ 漁夫
==========================


「馬来通信 その1」

 さて今回は初の試み、現地からのレポートと洒落込んでみましょう。まだ落ちが決まっていないので、話のもって行き方が難しいが。タイトルも捻りようがないな。

◆暗雲が立ちこめて
 今回のGWは珍しく休みが繋がって9連休!! だったのに、初日までインドネシア出張が・・・。延長にでもなろうものなら当然GWなし。気が重い・・・。

◆転じて
 成田空港にて。順調に帰ってくれば、遊びに行く奴等でごった返っているんだろうな、けっ。っとネガティブな考えに浸っていると、ふと・・・。「折角のGWに、日本に戻ってくる必要も無いんじゃ・・・。」
 慌ててマレーシアのガイドブックを購入。

 出張中、懸命に裏工作。帰りの便の予約をしてもらう。5月2日の夜便が取れた! 決めた、列車旅だ。マレー鉄道でクアラルンプール(KL)へ行こう。
 マレー鉄道の乗り方を聞き回ってみたが、バスや飛行機で行く方が遙かに便利なため、みな意外と知らない。そんな中、ちょうどジョホールバル(シンガポールとの国境の街)へ行く予定の人がいて、そこまで付き合ってくれることになった。

◆いざ国境を越えて
 その方のお陰で当日に難なくチケットを入手。陸路で国境越えるのって初めての経験。すごく簡単にシンガポールを出国。
 すぐにマレーシアへ到着。あれ? マレーシアへの入国はいつするんだ? 以前はシンガポールの駅でマレーシアへの入国も済ませていたそうだが・・・。

 実はこれを書いている現在もマレーシアへの入国処理をしていません。どうなることやら・・・。

◆まったり気分
 初の海外独り旅。国際急行で7時間、ゆったりと異国情緒を楽しもう。車窓から見える風景は一面の緑。緑に埋もれるように点在する家々が格好いい。この列車は走行中にも搭乗口を開けられる。扉を全開にしてステップに腰掛け、ぼーっとしている。何とも言えない不思議な違和感に包まれてくる。

[マレー鉄道.jpg/車窓から.jpg]

◆段々と不安が・・・
 席に戻って飯を食べたり微睡んだり。列車旅は優雅でよいね。でも時間が経つにつれて不安なことが。実は宿が決まっていない。この季節で空きはあるのか? それ以前に交渉できるのか?
 KL到着は予定よりも1時間遅れて18:30。ますます不安が・・・。あまり旅向けの性格じゃないな、俺。

◆何とかなるもんだ
 電話で交渉する自信がないので、直接ホテルへ行くことに。まず行ったのは、SWISS GARDEN HOTEL。日系のホテルじゃないのに、受付に日本人がいた。こっちでバイトしながら旅行しているんだそうな。何にしろ助かった。

◆夜の街へ
 夕食と買い出しへ、Bukit Bintang通りという繁華街へ。10時を過ぎても、わさわさ人がいる。ここも眠らない街なのか。でも俺は寝る。

 ってところが昨日(4/28)までの出来事。

◆雨期かな?
 朝から土砂降り。なかなか降り止まない。らちがあかないので、小雨になってきたところで街へ。目的はBatu Caves行きのバス乗り場を探すこと。
 買ってきたガイドはハズレ。各観光地へ行くバスの番号は書いてあるのに、そのバスにどこから乗れるか書いてない。仕方なくおよその目星を聞いて街をブラブラと。

◆雑多な力
 KLもまた個性的な街。まず言っておくと、えらい大都会です。高層ビルが建ち並んでる。ちなみに世界一高いビルは、ここのツインタワービルだそうです。そんなところにマレー人、華僑、イスラム人(?)、インド人、欧州人がごった返している。それだけだとシンガポールと変わらないかもしれないが、こっちは制御されてない混沌としたパワーを感じる。上海よりもパワフルだな。

◆ヒンズーの聖地
 結局バス乗り場は見つからず、Batu Cavesへはタクシーで。
 この鍾乳洞はヒンズー教の聖地になっていて、中には像が祀られている。そういえばインド人比率が高いような。インドの人達は洞窟へ靴を脱いで入っていく。異教徒たちは意に介せず土足で。よく怒らないな。
 2時間半ほどブラブラしてKLへ戻る。帰りはバス。

[Batu入口.jpg/Batu_Caves.jpg]

◆屋台通りは
 バス停探しの時に見付けた、屋台通りへ。贋物時計やバッグ、財布などがしこたま売られている。結構、欧州人も好きみたいで買い込んでる。人出は昨日のBukit Bintang通りどころではない。前橋では、祭りの時ですら有り得ないほどの混雑ぶり。

 夕食は屋台で。折角だからマレー料理が食べたいんだけど、目に付くのは中華系の店ばかり。ま、ここにはここの中華料理があるのでしょう。ってことで、呼び止められたところで。
 中国語で注文してみるが、返事は英語。俺の変な中国語では話しにならんってことね。悔しいからもう一度、
====================
 俺「小姐、再来一瓶[口卑]酒」
 小姐「One more BEER?」
 俺「・・・Ya・・・」
====================
 悔しい。文法が悪いのか、発音が悪いのか・・・。もっと勉強せねば。いや英語を勉強すべきなのか? いいや、目的は達したし。

[屋台通り.jpg]


 ふう、疲れた。こりゃ明日は続かないかもしれないな。再見(^-^)/~ 漁夫


巡礼の途上 お膝元"無断転載"
2000/12/30

今回の旅のメインイベントは縄文杉に会いに行ったことだろうな、やはり。
屋久島に魅せられた原因って、縄文杉って訳じゃないんだけどね。
その自然全体が気に入っちゃったんだ、もちろん縄文杉も含めてね。
そんな訳で、縄文杉への道のりも相当楽しめました。

縄文杉への道で一番楽なのは荒川口コース。もちろん私が行ったのはそれ。
片道で4時間以上掛かるとはいえ、半分は平坦なトロッコの軌道。
もっとも枕木の上は歩きづらいんだけどね。
それが終わると一気に本格的な山道。
しかも結構きつい登り。
登り始めは景色を見る余裕もなかった。
でも、こんな風に苦労して行ってこそ、縄文杉に会えたときの感動が大きくなるんだろうな。

この道中にも屋久杉を見ることができます。
一番のお気に入りは翁杉。
幹は苔生し、着生植物の根をまとい、如何にも歳をとっている風格がある。
翁杉とはうまい名を付けたもんだ。[翁杉.jpg/翁杉裏の顔.jpg]
ちなみに裏(?)は全く苔生してなくて、違う顔が見られるのもおもしろい。
いずれにしろ杉らしくないけどね。

もう一つのお気に入りがウィルソン株。[ウィルソン株.jpg/対人比較.jpg]
これはもう屋久杉とは呼ばないんだろうけど、立派な屋久杉の切り株。
これもなんだか分からないけど風格がある。
中は大人が何人も入れるほど大きな空洞になっている。
そこには木魂神社が祀られていて、その脇から清水が湧き出ている。
有り難いことこの上ない。
名の付いた唯一の切り株に外国人の名が付いているのが、ちと悔しい。

そうそう、途中で縄文杉へ赴くきっかけとなった青年に遇いました。
彼は既に縄文杉からの帰りだった。
曰く、あと40分くらいで縄文杉に着きますよ。
縄文杉前に全く滞在していなかったとしても私よりも80分先行していたことになる。
いったい何時に出発したんだこの人は!?

そして縄文杉。
縄文杉から30m位手前に櫓が組まれていて、そこから謁見することになる。
全体を見やすいのは確かだが、もちろん見やすくするための展望台ではない。
樹皮を剥いでいくアホが後を絶たないため、立ち入れないようにする為のものだ。
情けないね。

でも、縄文杉の下で一晩明かしてみたいなっとも思うんだよな。
もちろん禁止されてるんだけどさ。
ちなみに櫓の上でもね。
屋久島の森は基本的にキャンプ禁止なのです。
しつこいようだが、立ち入りが禁止にならないことを祈ります。

さて、とりあえずこれで屋久島旅行シリーズを終わりにします。
永らくお付き合いありがとうございました。
いずれの日か第二次屋久島旅行記が届くかもしれません。
覚悟しておいて下さい。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<


巡礼の途上 ちょっと寄り道"無断転載"
2000/12/25

>>切株更新や倒木更新が普通の事のように、森の至る所で起こっている。
>何だそれは?

質問があったので回答します。

切株更新
切株の上に種が落ち、発芽して次の世代の木が育つことを言います。
当然「倒木更新」は倒木の上ね。
同じ種類の木が育つとも限りません。
生存競争に勝った木が育つわけです。
杉の切株の上に、また立派な杉が育ってると「二代杉」「三代杉」なんて名付けられるみたい。
ちなみに「八代杉」なんてのもあるらしいが、それは更新を8代繰り返したもの・・・じゃないだろうな。

切株更新に必要なのは、その森の勢い。
それと当然切株が必要だね。
屋久杉は江戸時代以前から建築材として伐採されていたらしい。
だから、切株が至る所にある。
森の生命力もあるから、切株更新がそこら中で起こることになるわけです。
切株更新の周りでは、樹齢が同じくらいの樹が育っている。
それは大樹を切り倒したため辺りに日の光が届くようになり、木の芽が一斉に芽吹くからだそうな。

そんな訳で、切株更新の周りは森林再生のメカニズムがよく確認できるとか。
切株更新が至る所で見られる森は屋久島特有であり、人間と森の共存が織りなす景観美なんだって案内板に書いてあったな。

森の生命力が高かったお陰で、人間が傷付けても再生できただけって気もするが。
共存ってのはそういう事かな?
再生できる限界を超えないところまでで止める。
どうやってその限界を知るのか不思議だけど、近代化される前の社会って結構そうやって成り立っていたという話がよくあるよね。

日本の何処だったか、やはりそこ特有の自然の残っているところで、保護のために人の立ち入りを一切禁止した地域があると聞いた。
詳しく憶えていないが、人が近寄っただけで絶滅してしまうような動植物が居たわけではないはず。
その一部保護区域のすぐ脇では観光開発とかで森林をバサバサ伐採しているってことだった。
これが自然保護なのかね?

以前ある山でキャンプしようとしたとき、どこぞの自然保護団体に「自然保護のため立入禁止」とかって追い返されたこともあったけど。
あの人達は人間と自然は共存できないと考えてるんだろうな。

人間を締め出すんじゃなくて、各人が自然を守る自覚を促す事、共存を目指す事が自然保護になるんじゃないかと思うんだけど。
身勝手な理論かな?
それじゃ手緩いのかな?
何処の山に行ってもゴミだらけだもんな。
屋久島の原生林にはゴミは無かったけどね。
何か全然関係無い話になっちゃったな。
対不起[ロ阿]〜〜!

とりあえず屋久島の森が立ち入り禁止にならん事を祈ろう。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<


巡礼の途上 眷属との謁見"無断転載"
2000/12/20

やっぱり屋久杉ですね、この森の主役は。
圧倒的な生命力と存在感。
威厳すら感じます。
人間とは比べ物にならないほどの年月を活き抜いてきた杉達ですからね。
見ていて飽きないですね。
杉だとは思えないですよ、きっと。

杉には見えない物理的根拠も二つあります。
まずは幹の形状。
普通、杉ってスラッと真っ直ぐ天に向かって伸びるもんじゃないですか。
羽黒山の翁杉なんか、まさに杉って感じでしたね。
屋久杉は違うんですよ。
特に名のある杉は、コブあり、窪みあり、果ては三本足なんてのもあったり、それぞれが特徴的な「顔」を持っているんです。
[仏陀杉.jpg/三本足杉.jpg]
一般的な杉のイメージからは懸け離れていますね。

もう一つは着生殖物が多いってこと。
幹が苔生しているってレベルじゃないです。
サクラツツジ、ナナカマド、ツガ、シキミ、ヒメシャラ等々10"種類"以上の植物を身に纏っている杉も珍しくないそうです。
その杉一本で、さながら森のようですね。
で、基本的に着生殖物の方が下にあって、御本人の葉は遙か上の方。
つまり、下から見上げると着生殖物の葉しか見えないの。
[奉行杉.jpg]

ま、それが杉かどうかってのはあまり重要なことじゃないしね。
何であろうがあれはスゴイ、それだけね。

話は変わって、最近屋久島関連の番組を見る機会がありました。
屋久島の自然保護に活躍した人達の話でした。
その1人は、まだ世間に知られてない屋久杉を見つけていて、その下で酒を飲んだり、本を読んだりしながら過ごすのが今の楽しみだって語ってた。
羨ましいな。
自分だけの場所があるって。
子供の頃憧れた秘密基地みたい。
それが屋久杉の元なんて言うことないね。
たまには歩いて山にでも分け入ってみようかな、隠れ家を探しに。
屋久杉は望むべくも無いが。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<


巡礼の途上 身を清める"無断転載"
2000/12/17

屋久島旅行蛇足シリーズ、今回は温泉です。
屋久島には温泉がいくつも有るんですが、2ヶ所しか行けませんでした。
でも、両方お気に入りの場所です。

平中海中温泉
海辺に有って、干潮以外は海に沈んでいる難儀な温泉。
だから1日に2回、2時間ずつくらいしか入れない。
当然、時間帯もズレていく。1日に40分くらい。(?)
ガイドブックにも載ってて結構有名な温泉だとは思うけど、意外と人は少なかったな。
2度目に入ったときは独り占めでした。
間近に潮騒を聞きながら独り温泉に浸かるというのは、それはもう・・・
夕焼けの時にも入ってみたかったな。

潮が満ちてくると、低い湯船から順次海に沈んでいくんだけど、
まだ水没していない所で温まってから、そっちに入って身体を冷やすってのがまた気持ちいい。
油断していると頭から波を被る事になるけど。
海水風呂ってのを売りにしている銭湯も有るくらいだから、身体にも良いのかも。

入りたいだけ入っているって訳にはいかないところが難儀なんだよね。
でも蛍の光に追い立てられて上がるよりも、波が押し寄せてきて上がらざるを得ないって方が納得いくね。
上がり際、そろそろ潮時だなって呟いちゃって。
そのまんまなんだけどさ。

◆湯泊温泉
平中海中温泉ほどメジャーじゃないけど、こっちも良いとこでした。
「浜の湯」と「崎の湯」があって、それぞれ趣が違います。
どっちもちょっとぬる目で長湯向き。

浜の湯
浜にあります。
波打ち際からは少し離れているので、満潮時にも沈まないらしい。
いつでも、いつまででも入ってられます。
一応男湯と女湯が分かれていて、海に向かって右が男湯だそうです。
17:30頃に行ったら誰もいなかった。
まもなく地元のばーさまが来て、いろいろと話を聞かせて下さいました。
ここで2時間も入っていれば湯冷めもしないし疲れもとれて、ぐっすり寝られるそうです。
お言葉通り2時間ほど入っていました。(ばーさまも)
天気を教えてくれたのが有難かった。
次の日に縄文杉に会いに行く踏ん切りが付いた。
お陰様で無事に拝顔できました。
多謝。

崎の湯
浜の湯から少し離れた磯にあります。
満潮時には沈んでしまうそうです。
平中海中温泉よりも自然の雄大さを感じられる気がします。
周りに人工物がほとんど無いせいかな?
ここの湯も独り占めしてました。
眼前は海、天には星、辺りに響くのは潮騒のみ。
そこで銀河高原を片手に温泉に浸かれば・・・
他に必要な物が何か有ろうか?(反語)
そして夜は更けていく・・・

そうそう、添付の写真は4日目、雨に降られた時に撮ったもの。
入ったのは全部夜中でした。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<


巡礼の途上 神秘の森で"無断転載"
2000/12/14

ちと書き足らないので、蛇足的に補足を。

屋久島の原生林。
ほんと気に入っちゃったんですよね。
今でも鮮明に思い出せるな。
一面苔生した緑の大地、苔生した岩の間を流れる清水、轟音をたてながら流れ落ちる瀧、生命力に満ちた木々、苔の上を優しく照らす木洩れ日、・・・

森の深さが、木々の生命力が、辺りに満ちている空気が。
全てが違うんですよ、この辺りの森と。
完全に浮世離れしているというか、神秘的というか。
鬱蒼としていて静かなんだけど、不気味さや不安は感じなかったな。
立ち止まって辺りを眺めているだけで気持ちが良かった。
観光シーズンじゃなかったって事も幸いしたと思う。
人が多かったら雰囲気台無しだもんね。

ある居酒屋のマスターが言うには、広葉樹の森はそこにいるだけでエネルギーをくれるんだって。
そのせいかな? この森にずっと居たいと思ったし、普段よりも行動時間の限界が長かった気がする。
森の生命力が違うもん、明らかに。
切株更新や倒木更新が普通の事のように、森の至る所で起こっている。
それどころか、もっと異形な木々を沢山見ることが出来る。
生命力が樹の器に収まりきらなくなっているんじゃないかな?

独りで何時間いても飽きることがない。
そんなところだった。

悔んでいるのが、この空気の中でもっと時間を過ごしたかったなってこと。
どうしても先に進むことや写真を撮ることに追われて、のんびりできなかった。
今思えば、ゆっくりとお湯を沸かして珈琲をいれるくらいのゆとりが欲しかったな。
5日間じゃ足りないね。
1ヶ月くらい滞在したいな。

写真も悔しいな。
この空気を撮れた写真がない。
それこそしこたま撮ったんだけどな。
再び赴くまでに腕を上げておこう。

入り口.jpg/龍のよう.jpg/胖子.jpg

話は変わって、実は密かに期待している地がある。
屋久島と同時に世界自然遺産に登録された「白神山地」。
どんな所だか全く知らないのだが、屋久島と同レベルってことで勝手に。
ここなら近いしね。(HP作者より:近くないって。)
いずれまたレポートを送るかも。
覚悟しててね。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<


巡礼"無断転載"
2000/12/12

九州に行こう!

今回は、珍しく行先を決めるのが早かった。
まだ連休が取れるかわからない内から決めていた。

旅の計画。
まず、銀河高原ビール阿蘇工場と屋久島へ行く。
屋久島では2泊3日。
残り時間の許す限り九州を廻る。
そんな事を考えて出発した。

最初の目的地は銀河高原ビール阿蘇白水工場。
道のり1223km。
上信越・中央・東名・・・高速を乗継ぎ、ひたすら西へ。

SAで食事中に、ふと思い出した。
山口には秋芳洞がある。
秋芳洞と秋吉台は、確か中学の教科書に載っていた。
ずっと日本一の鍾乳洞だと思い、憧れていた。

銀河高原阿蘇工場
ここへの憧れは去年からだろうな。
他の3工場を廻って、残るはここのみって。

その憧れの2ヶ所に着いたときの気持ち・・・
忘れちゃった。
ってか、どうでもよくなった。
屋久島の原生林に踏み入った瞬間に。
私にとって屋久島はそれほど衝撃的でした。

屋久島への憧れは、10年くらい前にTVを見たときから始まった。
世界自然遺産に登録された時の紹介番組だったんだと思う。

その地まで、鹿児島からフェリーで片道約4時間。
その間にガイドでお勉強。

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屋久島は思っていたよりも大きい。島の周囲は125km。
そこに標高1500mを超す山が10座以上有り、最高峰の宮之浦岳は1935m。(九州最高峰でもある)
赤城(黒桧)よりも高いのか・・・
そんな訳で。九州の南の島とは言え、山は気温が低く冬には雪も降る。
植物で見れば、島の周辺部は亜熱帯の植物が生茂り、山を登るにつれ温帯・亜寒帯の植物が分布している。
まるで日本の南から北までを凝縮したような島らしい。

そんな多種の植物が生息する屋久島だが、一番有名なものはガイドを見るまでもない、屋久杉だ。
寒冷地の植物である杉が、高山に守られながら強い日差しと高い湿気により、他の地方では考えられないほどの生命力を以て島に君臨している。
「中でも樹齢7200年と言われている縄文杉は神々しく、見る者を圧倒する。 縄文杉に会えた感動は、何物にも代え難い思い出となるはずだ。」(ガイドより)
当然見に行きたい!

が、最低でも往復8時間山道を歩かなければならない。(ガイドによっては10時間とも・・・)
普段山登りなんぞしていない私に8時間も山歩きする体力は無い。
それに、2泊3日では日程的に厳しい。
残念だが諦めよう。
代わりに他の屋久杉を沢山見て回ろう。
白谷雲水峡、ヤクスギランド、大川の滝、トローキの滝、ガジュマル園・・・
行きたいところは沢山ある。

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屋久島が見えてきた。
やはり思っていたよりも大きい。
山が幾重にも重なっている。
湿気が高いのだろう。晴天だが山は霞んで見える。

逸る気持ちを抑え甲板から屋久島を眺めていたら、早く降船しろと注意された。
どうせ順番が来ないことには車が降ろせないのに。(他の乗客は既に車に乗っている)

船から車を降ろし、船着き場を抜け、すぐに車から降りる。
ついに憧れの土地に降り立ったんだ。
刺すような日差し! 青い空! さらに蒼い海! 深緑の森! 熱帯の植物!
南国だ! ざまぁみろっ!!
めちゃめちゃハイになっている。

島の地図を入手するために屋久島観光案内センターへ。
気っ風の好いおにいさんが、お薦めの観光地や温泉、
ついでに速度取り締まりをする場所まで教えてくれた。

船内で綿密に(?)立てた計画を早くも変更。
この日は西海岸へ。
自然遺産登録区域で唯一、海岸線のある地域。
ここらでは見ない植物の原生林が海まで続いている。
ほとんど人が来ない。独り占めって感じで気持ちよい。

次の日に廻る白谷雲水峡の駐車場で一泊。

朝の森が気持よいだろう。
頑張って6:30に起床。
まだ誰もいない雲水峡へ。

ここで、はまってしまった。

ここには、名の付いた屋久杉が8本ある。
ちなみに樹齢1000年未満の若(?)杉は、屋久杉とは呼ばないそうである。
そして2000年近く生きた屋久杉には、敬意を込めて固有名詞が付けられている。
翁杉、大王杉、縄文杉等のように。

ようやく屋久杉を目の当たりにしたわけだけど。
なんて言うのかな、やっぱり違うね。
単に大きな木がある訳じゃない。
屋久島に着いた時ははしゃいじゃったけど、こっちは逆。
感嘆の溜め息が出た。
樹なのに、凄い存在感がある。
生命力に満ちているって感じを受ける。

相変わらずカメラマンになれない私は、写真を撮るのも忘れてしばらく見入ってしまった。
で、カメラを構えてもっと絶望。
どうに撮って良いかわからない。
どんな構図にしても陳腐に見える。
この雰囲気を写した写真が撮れない。
もっと腕を磨かないとな。

それでも写真を撮りまくりながら原生林をさらに奥へ。
そこで魅せられてしまった。
屋久島の森に。

ある沢に降りた辺りから森の雰囲気が変わった。
生命力に溢れ生茂る木々、一面苔生した大地、その上を優しく照らす木洩れ日、静かに流れる清水の音と小鳥の囀りのみが響いている。
ここは聖地なんだ、そう感じた。
古い寺社仏閣を前にしたとき荘厳な雰囲気を感じることもあるが、そう言うものとは根本から違っている。
たぶんこれは人の手で作り出すことはできないものなんだと思う。
陳腐な表現だが、精霊の住まう森か、神の前庭かそんな印象だった。

とにかく魅せられた。
ひどく気に入ってしまった。
この島に2泊3日じゃ足らない。
1日延長しよう。
そう決めたら焦ることはない。
ここの雰囲気にのんびりと漬かっていよう。

そんな時、その日初めて人間に出会った。
神の遣いに会ったのかもしれない。
埼玉出身だという若者は言った。
「やっぱり屋久島に来たからには、縄文杉に会いたいじゃないですか。」

その後も写真を撮りまくりながら、のんびりと奥へ向かう。
まいった。
メモリが足りない。
140枚撮れるのに。
ノートPCを買って、メモリ不足を解消したつもりだったのだが・・・(さすがに持ち歩く体力はない。車に置いてきた。)
屋久島の自然を甘く見ていた。

一番奥の屋久杉「七本杉」の所で気が付いた。
もう15時。
7時間以上この森を彷徨っていることになる。
一周2.5時間コースのはずだが・・・
フェリーの予約を変更しなければならない。
急いで山から下りる。

16時。
フェリーの受付に着くが、既に閉まっている。
電話を掛けて予約の変更をする。
不意にあの若者の言葉が浮かぶ。
「屋久島に来て、縄文杉へ行かないなんてアホですよ。」
帰りの便を2日延期した。

問題は縄文杉にいつ行くか?
明日か明後日、どちらにすべきか。
温泉に浸かりながら考える。
明日は筋肉痛になるかもしれんし・・・
そんな時、地元のばあさまがやってきた。
「明日の夕方から雨になりそうですね。」
神の啓示か。

縄文杉への登り口近くで一泊。

5:30起床で、登り口へ。
驚いた。すでに人がいっぱい。10人以上いる。
みんなそれなりの登山装備。ガイドを雇っているグループも多い。
私はもちろんひとり。装備もショルダーバックにウエストポーチのみ。
かなり場違い。
いきなり不安になってきた。
でも、ここまで来て引き返せるか。

まずはトロッコの軌道を歩く。
切り出した杉の運搬用として今も使われている。(途中から廃道に分岐)
枕木の上は歩きづらいが、坂ではないので助かる。
途中何度か鉄橋を渡るのが、ちと怖い。

登り口にはあれだけ人が居たけど、歩き始めるとばらけて見えなくなった。
休憩の時に追付いたり、追付かれたりで見るくらい。

そんな調子で2時間半くらいトロッコ道を歩いてから、本格的な山道へ。
結構急な斜面で疲れるけど、良い間隔で屋久杉が現れるもんだから、その度に立ち止まったり、写真を撮ったり、自然と休憩がとれる。
どうしても他のグループが居たりしてうざいけど。

そんな山道を行くこと2時間

森の中に木の櫓が。
疲れを忘れ駆け登る。

縄文杉!!!

・・・・・・・・・・

魅入るとはこういうことか。
縄文杉以外のことは意識から消えていた。
ちと大げさかな?
でも、しばらくは、ただ縄文杉を見ていた。
正直言うと「しばらく」だったのか「一瞬」だったのかも判んないんだけど。

ふと思った。
宗教をやってる人達が聖地を巡礼するのって、こんな気分になれるからなんだろうかと。
そう、ここは神の御前なんだ

その神の御前で昼食食べたり、撮影したり、ぼーっとしてたり、1時間半くらい過ごして帰路に。

帰りはのんびりと撮影しながら、と思っていたのだが雨が降り出し、そうもいかなくなってしまった。
雨に濡れた鉄橋は怖い。
突風が吹かないことを祈りながら渡る。
線路に振動が・・・?
トロッコが来る!
なにもこんな時に・・・
歩き疲れてふらつく足で待避所へ急ぐ。

そんなこんなで、車に戻れたのは17時半。
出発から11時間。

疲れを癒しに平中海中温泉へ。
ちょっと遅めだったので半分海に沈んでる。
でも、折角なので入る。
ここは干潮の2時間だけ入れる露天風呂。
それ以外は海の底。
私の他に2人。
2人とも屋久島へ移り住んで来たらしい。
さり気なく職業をチェック。
1人は自営の電気工事士、もう1人は郵便局員。
門は狭いな。

屋久島4日目は朝から雨。
山に入るのを諦め、車で回れる所を堪能。
午後、雨が弱くなってきたのでヤクスギランドへ。
ここも原生林と屋久杉を楽しめる所。
傘を差しながら山の中へ。
もちろん他には誰もいない。
霞みがかった森は、より神秘的。
静かな鬱蒼とした森は、ほんとに気持ちがよい。
山頂よりも、こういうところの方が好きなのかもしれない。

屋久島旅行の最終日。
早朝から再び白谷雲水峡へ。
フェリーの時間ギリギリまで過ごす。

名残惜しい。
こんなに名残惜しいのは初めてだ。
一度行った良い所よりも見知らぬ土地へ行きたいと思うのだが、屋久島へはまた戻ってきたいと思ってる。
たぶん思い残しが多いせいだろうな。
まだ「心が現世に戻ってない」なんて指摘されたけどホントにそうかもしれない。
この後何ヶ所かまわったけど、なんか感動が今一つ、ね。

決めた。
もう一度行こう。
もっと体力を付けて。
もっと山歩きに慣れて。
もっと写真の腕を付けて。
もっと時間を掛けて。

ってことで関係者の皆さんよろしく。

再見(^-^)/~  漁夫>゜)))<

屋久島(+九州)旅行、
総時間:239時間
走行距離:3734km
でした。


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