宝塚歌劇団 宙組
「WEST SIDE STORY」




STORY




1950年代、アメリカ・・・。


ニューヨークのウエストサイドでは、
若者たちが集まる2つのギャング、
ジェッツとシャークスが戦いを繰り返している。

リフをリーダーとし、
この地域を支配しているジェッツは、
ヨーロッパ系移民の親を持つがアメリカで生まれたいわば
「アメリカ人」と呼ばれる白人の青年の寄せ集め。

一方ベルナルドを中心に置くシャークスは、
いずれもアメリカに移り住んでいるプエルト・リコ人の青年たちだ。

縄張り争いが続く中、
リフは一刻も早くシャークスとの決着を付ける為、
親友トニーに助けを求める。

トニーは、かつてリフと共にジェッツを創ったが、
1カ月ほど前に仲間から離れて今はドクが経営するドラッグストアで働いている。

ベルナルドに決闘を申し込む為、
今夜体育館で開催されるダンス・パーティーへ一緒に来て欲しい

と言うリフの頼みをトニーは断り切れず承諾する。

ジェッツのリーダーとしてリフと共に喧嘩に明け暮れていたトニーだったが、
彼は最近、何か特別なことが起こる予感がしていた・・・。



ベルナルドの妹マリアは、プエルト・リコから兄に呼び寄せられ、
1ヶ月前にニューヨークにやって来たばかりだ。

ベルナルドの恋人アニータと共にブライダル・ショップで働く彼女は、
家と店の往復だけの生活にうんざりしている。

しかし今夜は、
兄の許しを得て初めてダンス・パーティーへ出掛けるのだ。

はしゃぐマリアを見守るベルナルド。

彼はマリアをシャークスの仲間、
チノと結婚させようと考えていたが、
まだ少女のマリアには結婚のことなど到底考えられない。



ダンス・パーティーに集結したジェッツとシャークスの若者たち。

思い思いにダンスを繰り広げるかれらだが、
2つのグループが交わることはなく、
やがてベルナルドとアニータ、
リフと彼の恋人ヴェルマたちのダンス対決が始まった。

そんな中、トニーとマリアの視線が合った。

引き寄せられるように互いの手と手を取りやがてキスを交わす二人・・・。

しかしそれに気付いたベルナルドが激怒して二人を引き裂き、
マリアは家に帰されてしまう。



マリアとの出会いこそが“何か特別なこと”だった・・・。
トニーは、マリアの後を追い彼女の家を見付け出す。

二人はときめく思いを語り、
翌日の再開を約束して別れる。



胸の高鳴りを抑えきれないまま、
ドクのドラッグストアへ向かったトニーだったが、
そこではジェッツとシャークスの戦争会議が開かれている真っ最中だった。

トニーは皆に、武器など持たず正々堂々と素手で戦うよう告げ、
ベルナルドとリフもその提案に応じる。



翌日、再会したトニーとマリアは、永遠の愛を誓い合う。
そしてマリアはトニーにベルナルドたちの決闘を止めて欲しいと頼む。



そしてその夜、トニーはマリアの願い通り、
ジェッツとシャークスの決闘場所へと向かうのだが・・・。