新派130年
十一月新派特別公演
「犬神家の一族」
STORY
犬神佐兵衛。
十代で信州に流れつき、
那須神社の神主・野々宮大弐の恩を受け、
この町の隆盛を築き犬神財閥の創始者となった男。
昭和二十年代の信州・那須。
今日は、佐兵衛翁の傘寿の祝賀会が那須湖を望む
犬神御殿の庭園で催されている。
日本が、まだ連合国の占領下に置かれている時世において、
ここ犬神家には満たされた者の笑顔が溢れていた。
そのひと月後の信州・那須に探偵の金田一耕助が到着した。
古舘法律事務所に勤務する若林から、
犬神家にまつわる調査を依頼されたからであった。
しかし、事務所を訪れた直後、
金田一の目の前で若林が謎の死を遂げる。
駆けつけた、
那須警察の橘署長や犬神家の顧問弁護士を務める古舘から、
犬神家の“安易ならざる事態”が語られる。
ひと月前に莫大な財産を残して他界した犬神佐兵衛には、
母親の異なる三人の娘がおり、
長女松子、次女竹子、三女梅子が遺産を巡り、
反目を深める日々を送っているというのである。
そんな中、松子の息子・佐清が戦地からの帰還を遂げるが、
大怪我を負いゴムマスクを被った姿であった。
一同が戦慄と疑惑を抱く中、
一族、が勢揃いしたことで、
いよいよ遺言状が公表された。
そこには思いもよらない遺産の相続方法が認められており、
遺産の相続人として、
佐清や竹子の息子・佐武、
梅子の息子・佐智のみならず、
犬神家に寄寓している野々宮珠世や、
佐兵衛が寵愛した青沼菊乃の息子で今は行方不明の静馬の名が含まれていたのだ。
犬神家を長年訪れている琴の師匠・宮川香琴も巻き込み、
犬神家の三種の家宝「斧・琴・菊」を模した殺人事件が起こりだす。
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