山村美沙サスペンス
「京都都大路 迷宮の恋めぐり」





STORY


京都・祇園クラブ「牡丹」に飛び込んだ一本の電話。
それはホステスの桃子が自宅で死んだという突然の知らせだった。
桃子は、ホステスでありながらも、
女流人形師の歌乃や日本画家の沢木晴彦という二人の天才が取り合うほど、
モデルとしての才能に溢れた女だった。



そんな桃子を偲んで、「牡丹」のママ、
神崎美保子をはじめ、祇園はち熊の芸妓である小春や
ベンチャー会社社長の山田柳二郎ら、
桃子と親交のあった常連客たちが集まる。
皆は警察が、桃子の死を服毒自殺と判断したことに疑いをもつ。
果たして本当に自殺なのか。
密室殺人の可能性は・・・。
美保子や小春はあらゆる可能性を排除せず、
独自に真相を探り始める。



京都府警の狩谷警部もまた、
自分自身の経験と勘から“他殺”の可能性を追求し始める。



一方歌乃は、沢木が20年前に関わった贋作事件に再び巻き込まれている事を知る。
密かに沢木に想いを寄せる歌乃は彼を救うことを決意する。



花街での節分の習わし“お化け”が祇園「牡丹」でも仮装パーティーとして定着している。
すっかりパーティームードの中、
ここで第二の殺人が起る・・・。



その犯人として警察の捜査線上に浮かんだのは沢木であった。



「牡丹」でおきた密室殺人。
常連客の中に犯人がいるという事実。
皆が疑心暗鬼になる中、
事件に疲れ果てた美保子は常連客を集めて店を閉めることを宣言する。



そして、こともあろうに第三の殺人が起こる・・・。



それぞれの抱える秘密が明らかになる中、
謎はますます深まるばかり。



はたして犯人は・・・。
そして歌乃、美保子、沢木を取り巻く恋の行方は・・・。







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