スーパー喜劇
「かぐや姫」
STORY
此処はいにしえの蒼い星、地球。
ある日の夜、
子宝のない町医者・月庵と照乃夫妻の竹林に、
突然月からの閃光が衝突し現れたのは、
稚児姿のかぐや姫。
続いてお守り役の月の兔、
耳彦と赤目が追ってくる。
夢で子を授かるお告げを見たという月庵は、
月の神様からの贈り物だとして、
かぐや姫を自分達の娘として照乃と
共に育てることにするのだった。
一方月の世界では、
かぐや姫の母、月の女神・月光が胸を痛めていた。
かぐや姫は、厳しい女王教育をする月光に反発し、
ある掟を破り地球に流刑になったのだ。
地上からの報告で、
”不思議な力を宿すかぐや姫の舞を
見た者は幸福になれるという噂が広がり、
求婚する男達が後を絶たない”
と聞いた月光は、
さらに不安を募らせるのだった。
地上では、
人智を超える早さで娘へと成長したかぐや姫のもとに、
帝から参内を命じる文が何通も届いていた。
しかし、月庵の弟子・鶴松が説得しても、
参内を拒むかぐや姫。
そこへ宝を持参した五人の婿候補が訪ねてくるが、
宝が全て贋物だと見破られると、
婿候補の一人、三位の中将・忠信波平が
かぐや姫を無理やり連れ去ろうとする。
それを助けたのは帝の使者、
京之介であった。
京之介は帝の再三の参内に応じないかぐや姫を
都へ連れて帰る迄は帰らない覚悟でやってきたのだった。
反発するかぐや姫、
二人は犬猿の仲に見えたが次第に京之介は
かぐや姫の純粋な心に惹かれ、
かぐや姫にも恋心が。
そんな矢先に赤目達の手違いで月から迎えが来ると大騒ぎ。
皆々が騒動の中、
どさくさにかぐや姫を連れ去ろうとする忠信波平。
それを止めようとして京之介は、思わず波平を斬ってしまう。
都へ帰れなくなった京之介は、
皆に迷惑がかからぬようにと別れを告げて去っていく。
その姿を見つめるかぐや姫に月庵、照乃夫妻は・・・
月庵、照乃夫妻の後押しもあり、
京之介と共に家を去ったかぐや姫。
月の世界では、
かぐや姫の父・日輪が二人の駆け落ちを聞き、
激昂していた。
日輪は月光になんとしてでも
二人を引き裂くようにと伝えるのであった。
一方地上では、
貧しい長屋で暮すかぐや姫と京之介の姿があった。
仕事が見つからず浪人となった京之介は、
自暴自棄となり、
酒や博打に走り、かぐや姫に冷たくあたる。
甲斐性のなさ故、かぐや姫に苦労させていることが
耐えられずにいたのだ。
それでも京之介に尽くすかぐや姫を、
耳彦は下男として支えていた。
そんな中、男たちに襲われている
武家伊藤喜兵衛の娘・お梅を助けた京之介は、
その縁で伊藤家に召し抱えられることに。
そして、お梅に気に入られ、
喜兵衛から婿に来てほしいという申し出を受ける。
実はお梅は赤目が化けた姿で、
日輪と月光から二人の中を引き裂くようにと
命を受けた耳彦と赤目が考えた
作戦だったのだ。
そんなこととは露知らず、
京之介は申し出を受け入れ、
京之介の心変わりを知ったかぐや姫も
身を引く覚悟をし、
別れを告げて家を出て行く。
そこへ、帝の使者だと名乗る
近衛大将頼通が現れる。
というのも、都で流行った疫病で世継ぎが
次々と亡くなり、
行方知れずとなっていた帝の子を
探していたところ、
証拠の品の笛を持った京之介がその世継ぎと知り、
迎えにきたという。
騒ぐ長屋の人々に押され、
京之介は家を出たかぐや姫を追いかける。
そして京之介は、
苦労するかぐや姫の姿に耐えられず、
心にもない愛想尽かしをした方が
かぐや姫の幸せだと思い込んだ胸の内を明かし、
かぐや姫がいる場所が
自分の帰る場所、
都に一緒に来て欲しいとかぐや姫に切々と訴えるのだった。
それから数ヶ月が経ち、
かぐや姫はいまや皇子の身分となった
京之介と共に宮中御所で暮していた。
かぐや姫は気詰まりな宮中での暮らしに
戸惑うことも多かったが、
帝が新しく迎えた妻、
中宮・琴乃が心のささえとなって
かばってくれていた。
帝も京之介に政の相談をするなど、
世継ぎとして頼りにしている様子。
しかし、京之介が現れる前まで政の相談相手だった
琴乃の父・左大臣大江鎌足は、
この状況が面白いはずがない。
一刻も早く琴乃が帝の子を宿すように
全力を尽くせと頼通に命ずるのだった。
やがて懐妊の知らせが・・・。
だが皮肉なことになんと琴乃ではなく
かぐや姫が懐妊したのだ。
かぐや姫は元気な男の子と女の子の双子を出産し、
それぞれ厨子王、安寿姫と名付けられた。
宮中では誕生を祝う宴が行われることとなった。
いよいよ帝が京之介に天下を譲ろうとしていると知り、
鎌足は宴に乗じて謀反を起こし
京之介と厨子王を亡き者にして、
この国を我が者にしようという計画を実行する。
さて事の結末は・・・。
- 松竹 株式会社 提供 -