W・シェイクスピア/J・フレッチャー作
『二人の貴公子』より
「赤い城 黒い砂」




STORY




草原が広がる大地に二つの国がある。

赤い国と黒い国。

二つの国は絶えず戦争を繰り返している。

黒い国には、「黒い国の獅子」と謳われる二人の英雄がいる。

黒い国の王の甥で、常に冷静沈着なジンク。

自信家で荒々しい、従兄弟のカタリ。

二人は無二の親友として育ち、
戦場では目を見張る活躍ぶりを見せていた。

一方、赤い国には、その勇猛さから
「赤い国の魔女」という異名を持つ、王女ナジャ。




戦場で刀を交わす三人。
ナジャの美貌とその剣技の美しさに心奪われるカタリ。




ー運命の出会いー




そこへ、突然の閃光 ー訪れる静寂ー 赤い国の兵器により、
黒く焼けただれる大地。




その戦いを物見の塔から見守っているのは赤い国の王、
暴君クジャ王と、謎の武器商人モト。

そして、クジャ王の妾の娘、
王女ナジャの姉カイナ。

赤い国は、武器商人から買い入れた新兵器により、
いままさに赤と黒の長い争いに終止符を打とうとしていた。




一命はとりとめたものの、
赤い国の捕虜となり牢獄へ入れられたジンクとカタリ。

その深い地下の牢獄には、
牢番ヨムとその娘ココがいる。

囚われの身となったジンクとカタリのもとへ、
王女ナジャが現れる。




王女ナジャの出現により ー亀裂が生じる、二人の友情ー




月日が流れたある日、ジンクだけが釈放される。

地上の世界に出たジンクの心に芽生える黒い野望と欲。

黒い国に還ることを躊躇(とまど)うジンクのもとに、
王女ナジャの親衛隊長を選ぶ御前試合開催の報が舞い降りる。




暗い闇に残されたままのカタリ。

ココはいつの頃からかカタリに強く惹かれていた。

そこへ牢番ヨムから突如として知らされるカタリ処刑の報に、
ココはカタリとともに牢獄からの脱出を試みる。

暗い地下牢から地上へと続く長い通路を抜けて、
地上へ飛び出たその時・・・




・・・再び地上に解き放たれた、二人の獅子・・・




愛情、憎しみ、嫉妬、欲、プライド・・・・・・


誰が誰を愛し、
誰が誰を憎む、


誰のために、
何のために戦うのか


人間が生まれながらにして待つ様々な業が複雑に絡み合い、
その荒れ狂う運命に引きずり込まれていく・・・




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