氷川きよし特別公演
-きよしの-
「一心太助」
いっしんたすけ




STORY




威勢よく日本橋を上ってくる一人の魚屋、一心太助である。

太助は大久保家の仲間として奉公していたが、
侍の暮らしが性に合わず、大久保家の当主、
大久保彦左衛門忠教の世話で魚屋になり、
今日初めて見る魚河岸の喧騒にド肝を抜かれる太助であった。




いろは瓦版屋では、閻魔の権三とその子分たちがやってきて、
瓦版屋の親方おえんに瓦版のことで文句をつけ、
取り消しの瓦版を出せと詰め寄る。

反発したおえん達に子分が襲いかかる。

おえんの叫び声を聞いた太助がかけつけ
「俺の大事なおえん姐さんに何をしやがんで」と大暴れし、
権三を追っ払う。




おえんは日頃から太助を弟のようにめんどうを見ていた。

何故ならば、おえんが子供の頃に生き別れになった弟に太助が似ていて、
おえんは弟に違いないと思い込んでいるからであった。




ある日の午後、大久保家では、旗本達による我慢会が行なわれ、
太助や腰元達は準備に大忙しである。

そんな折、腰元頭のお八重が新人の腰元お仲を連れて来る。

お仲は、お膳の拭きそうじも終り、
お膳を片付けようと立った時、お膳がくずれ、
東照神君様より御拝領の大久保家の家宝の皿を割ってしまう。

箱には「この皿を割ったものは打ち首」と書いてあったのだ。

茫然と立ちすくむお仲。




そこに太助が戻って来る。

割れている皿に気づき、お仲が割った事を知り、
彦左衛門には「太助が割りました」とお仲をかばう。

しかしそれを聞いたお仲は「割ったのは自分です」と申し出る。

その時、太助は大久保の殿様に
「人の生命と皿一枚と引換にするつもりか」と逆に説教をする。

その言葉に目がさめた彦左衛門は
「よう申した」と太助をほめ、打ち首はとりやめとなった。




おえん長屋に住む太助のところに大久保の殿様がやって来て、
「知り合いの廻船問屋の伜がどうしても魚屋になりたいと申すので
太助の弟子にしてやってくれ」と頼まれる。

町駕篭から出て来たのは、
背すじをきっちりと伸ばした魚屋の半纏姿の船太である。

船太は殿さま病という変わった病の持ち主であった。

太助は「大久保の殿様の頼みじゃ、しょうがない、
まかしておくんなさい」と引き受けた。




しかしその後、太助の周りに不審な事がおこり始めた。

船太のかくされた秘密とは、
そしてお仲や大久保の殿様との行く末は・・・




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