IZUMI
40TH YUKIMURA
−HUMAN HEARTFUL MUSICAL−
「クッキングガール」




STORY









料亭トンボの養女として育った四日市久子は、子供の頃から大の料理好き。

幼馴染みんお小林和彦が、企業戦士として砂漠の街へ行ってしまった
失恋のショックもあって、日本料理の職人となる決心をする。




京都の老舗料亭での長い修行。

その結果、腕を認められ、アメリカ48都市へ日本料理の
指導のために派遣される。




当時のアメリカでは、日本料理といえば、すき焼きとテンプラしか
しられていない。

悪条件の中で、本格的な懐石料理の旨さを、
アメリカ人の客や料理人に教えたる苦心惨たん。

しかし、見事成功して帰国した久子を待っていたものは、
名誉や称賛ではなく、包丁を握ることもゆるされない
「失業」という憂き目だった。




年功序列と男性優先の職場の中での、女性料理人としての葛藤。

腕に見合った職場を与えられない久子は、
仕出し弁当屋に努めながら、こつこつと料理の研究に励む。

彼女は、なんとしても、独創的な、誰にもできないメニューを作ろうとする。

影に日向に久子を案ずる二番板長の三五郎。




しかし、和彦の要望で、久子は砂漠の街へ行く。

そこで、3千人の労働者の食事の賄いを請け負ったのだ。

材料もない灼熱の土地で、3年間、彼女は1日として同じメニューを作らない。

彼女は終に、長年夢に見た独創的なメニューを完成し、また、
砂漠の街にも、日本料理の旨さが広まった。

久子の名はやがてヨーロッパまで知れ渡る。




ミシュランの三つ星、ゴエミヨの三つフォーク、
イギリスのクラウン等、女性料理人として初めての、数々の賞を手にする。

久子は、包丁一本で世界を駆け抜けた自分の生涯に、
いつも変わらぬ和彦と三五郎の愛と友情があったことを知ったのだった。