東宝ミュージカル特別公演
「南太平洋」
- South Pacific -




STORY



第二次世界大戦中の南太平洋の小さな島。

この島で農園を営んでるフランス人、
エミール・ドゥ・ベックの庭には数々の南国の花が咲き乱れ、
丘からは湾の景色と、沖に浮かぶ双子の火山がそびえる島が見える。


この戦場の楽園でエミールの子供達が即興のメヌエットを踊っている。
〈ディトゥ・モア〉




アメリカ南部リトルロック出身の従軍看護婦、
ネリー・フォーブッシュは二週間前将校クラブのパーティーでエミールの家を訪れたネリーは、
庭園の美しさに魅了されてしまった。

海を望む丘の上での暮らしに二人はそれぞれ思いを馳せる。
〈底抜けの楽天家〉
〈二人の独白〉





ネリーよりも年上のエミールは彼女への想いを伝え、
待ち続けた愛を手に入れる。
〈魅惑の宵〉

昔、本国で過って人を死なせてしまい、
この島へ移り住んだことをエミールは告白し、ネリーは彼を信じる。




海岸では東洋人のブラディ・メリーが兵士たちに珍しい土産物を売り込んでいる。
〈ブラディ・メリー〉

同じく海岸で設営部隊員のルーサー・ビリスが洗濯屋を開業している。

彼が密かに慕っているネリーも特別サービスのお客様だ。

ジョギング中の看護婦たちに釘付づけのGIたちは、
沖に浮かぶ島を眺め、この世で一番素晴らしいもののことを考える。
〈女ほどすてきなものはない〉




海兵隊のジョー・ケーブル中尉が、
日本軍の占領地域を偵察するという特別任務を帯びてこの島にやって来た。

ケーブルと出会ったブラディ・メリーは彼にバリ・ハイ島の話を聞かせる。
〈バリ・ハイ〉

神秘の島に心引かれるケーブル。

なんとかしてバリ・ハイに行きたいビリスは、
彼をそそのかしてボートを手に入れようとする。




司令官ブラケット大佐のオフィス。

敵地に潜入し、特別任務を遂行するためには現地の地理に詳しい
エミールの協力が必要なため、大佐はネリーを呼び出し、
彼の事を調べるよう頼む。




砂浜でビリスが“経営”するバス・クラブにネリーがやって来る。

エミールのことをほとんど知らないネリーは、
国も育ちも違う彼をまだ間に合ううちにきっぱり忘れようとする。
〈あの人を洗い流そう〉




そこへシャンプーと一緒に洗い流した筈のエミールが彼女を訪ねてきた。

エミールはフランスから逃げてきた事件のいきさつをネリーに話し、
彼女にプロポーズする。
〈リプライズ 魅惑の宵〉

そして旗のように舞い上がるネリー。
〈すてきな人に恋してる〉




ネリーとの愛を確かめたエミールは、
ブランケット大佐らからの頼みを拒否する。

しかたなく休暇をとってケーブルはバリ・ハイ島に渡る。

魅惑の島をブラディ・メリに案内されて、
彼はメリーの娘リアットに出逢い、恋に落ちる。
〈春よりも若く〉




エミールの家では農園関係の人々を早退して盛大なパーティーが行われた。

客が帰った後、ネリーはエミールがかつて現地の女性と結婚して、
二人の子供をもうけていることを知らされる。

混乱したネリーはエミールのもとを去ってしまう。




一週間が過ぎた。

感謝祭の軍のショーでネリーは振付けを担当している。

エミールは花束を届けに舞台裏を訪ね、
彼女が別の島に転属願いを出していることをビリスから聞かされる。

マラリアにかかり、病院にいたケーブル中尉は島へ行くために
ベッドから抜け出してきた。

彼の前にリアットがあらわれ、ブラディ・メリーは娘との結婚を勧める。
〈ハッピー・トーク〉

彼女を愛しているものの、ケーブルは結婚の意思がないことを伝える。

怒ったメリーは金持ちの農園主と結婚させるため、
リアットを島へ連れって帰ってしまう。




ショーは大成功に終わった。
〈ハニー・バン〉

ネリーは舞台でもらった花束がエミールからのものだと知る。

彼のポリネシア人の妻の事が割り切れないネリーは、
結婚できないとエミールに告げる。

愛に破れたエミールにケーブルはもう一度敵地潜入作戦に協力してくれるよう勧める。
〈教えられて〉
〈そばにいたいのに〉


ふたりは敵軍の占領地に出発して行った・・・。