ブロードウェイ・ミュージカル
「ドロウジー・シャペロン」




STORY




マンハッタンのとあるアパート。

住人は飛び切りのミュージカル・オタクの男にして、今夜のホスト。

彼の楽しみは夜のひと時、お茶をのみながら、
お気に入りのブロードウェイミュージカルのLPレコードをかけること。

作品は『ドロウジー・シャペロン』(=よっぱらいの花嫁介添人)。




大恐慌時代前夜の禁酒法時代、アメリカ文化の燗熱期である1928年に
ブロードウェイのモロスコ劇場で初日を迎えた、古きよきミュージカルだ。

オーバーチュアーが始まると、古ぼけたアパートの一室が
みるみるうちにブロードウェイの華やかな舞台に変わっていく。

壁から、ベッドから、冷蔵庫から、あふれ出す麗しいダンサーたち!!!




作品のストーリーはこんなふうだ。

ブロードウェイの大スター、ジャネット・ヴァン・デ・グラーフは
富豪の御曹司ロバートと避暑地で恋に落ち、
人気の絶頂で突然、結婚・引退を宣言する。




結婚式当日は、個性の強すぎる面々が勢ぞろい・・・

いつも酔っ払っている花嫁介添人ドロウジー、

式の進行を手配する花婿介添人ジョージ、

結婚式の主催者である有閑未亡人の

トッテンデール夫人とその執事アンダーリング、

ジャネットのショウのプロデューサーで

何とか結婚を阻もうと策を練るフェルドジーグ、

その愛人でジャネットの後釜を狙うキティ、

プロデューサーを脅迫するために

ギャングから送り込まれた殺し屋コンビ、

プロデューサーの命を受けジャネットを

誘惑しようとするラテン系のジゴロ・・・。




花嫁と花婿は式まで顔を合わせてはいけないというしきたりにのっとり
ジョージがロバートに目隠しをする。

それが大騒動の発端だった・・・。




レコードを聞きながらミュージカルへの深い含蓄と
愛情と皮肉を交えた解説をする「男」。

しかし現実世界からたえまなく横やりが入って、
彼の集中を妨げる。

電話、来客、レコードのとりちがえ、針飛び・・・etc.

それにもめげず、華麗なグランド・ミュージカルの夢に
浸り続けようとする
「男」の悪戦苦闘の先に待っていたものは・・・。