ミュージカル
「マリー・アントワネット」




STORY




スウェーデン貴族・フェルセン伯爵のもとに、
フランス王妃マリー・アントワネット処刑の知らせが届く。

その命を救うべく奔走し無事を祈り続けてきた、
ただ一人愛した女性の過酷な運命を、
フェルセンは回想する・・・。



18世紀末のフランス

国王ルイ16世統治の下、
国家は財政難に陥っていた。

それにもかかわらず上流階級の貴族たちはいまだ豪奢な生活を送り、
飢えと貧困に苦しむ民衆たちの不満は膨れ上がっていた。



パリのパレ・ロワイヤルでは、
オルレアン公が主催する豪華な舞踏会が開かれている。

圧倒的な美しさを誇る王妃マリー・アントワネットは、
人々の注目の的。

そこでマリーは、
フェルセン伯爵と再会する。

許されない関係ながらも愛し合う二人は、
束の間のダンスを楽しむ。

そこへ、舞踏会に忍び込んできた貧しい少女
マルグリット・アルノーが突然現れる。

”MA”という同じイニシャルを持ちながら、
正反対の環境で生きる二人の女性が出会った瞬間だった。



ボロボロの服に身を包んだマルグリットは、
民衆な悲惨な暮らしについて王妃に訴え、
救いの手を求めるが、
貴族たちは相手にしようともしない。

アメリカ独立戦争に従軍し、
革命が起こる様をその目で見てきたフェルセンは、
マリーに革命の危機が迫っていると忠告する。

しかしランバル公爵夫人らわずかな側近と夢の世界に暮らし、
現実を見ようとしないマリーの耳に、
フェルセンの言葉は届かなかった。

舞踏会から締め出されたマルグリットは、
貧しい人々に目を向けず、
自分たちのことしか考えない王妃や貴族たちに憤りを覚え、
やがて貧困のない自由な世界を求め、
革命への道を歩み始める。



マリーはお抱えのヘアドレッサーのレオナール、
衣裳デザイナーのローズ・ベルタンが
作り出す最先端のファッションの追及に余念がない。

しかし、宝石商のベメールから
無数のダイヤモンドが散りばめられた高価な首飾りを売り込まれるも、
国家予算が逼迫する中、
さすがにその申し出は断らざるを得なかった。



密かに王座を狙うオルレアン公は国王夫妻の失脚を企み、
革命派の詩人スキャンダルを流しては民衆を煽っていた。

そして、王妃に購入を断られ困り果てていたベメールの
首飾りを利用して王妃を陥れようと、
かの有名な「首飾り事件」を引き起こす。



やがてその波紋は広がり、
王室に対する民衆の怒りと憎しみは頂点に達する。

フェルセンの警告も虚しくマリーは革命の渦の中に飲み込まれていく・・・。