東宝創立70周年記念公演
〜ミュージカル〜
モーツァルト!
MOZART!





STORY




1768年、ウィーン。

ザルツブルクの学長レオポルト・モーツァルトは、
錚々たる名士が集まる貴族の館で、
今、幼い息子がピアノを弾くのを目にしている。




5歳にして作曲の才が花開いたその子は、
”奇跡の子”と呼ばれていた。




歳月は流れ、息子ヴォルフガングは、
ザルツブルクで音楽活動を続けていた。

傍らにはいつも、奇跡の子と呼ばれたころのままの分身、
アマデが寄り添い、作曲にいそしんでいる。




しかし、青年ヴォルフガングは、領主であるコロレド大司教の支配下で、
その命を受けて作曲せねばならないことに嫌気がさしていた。

自由と輝きを求める彼は、「大司教に逆らうな」
と悟す父とも意見が衝突。

とうとう、傍若無人な態度のコロレドに、直接、怒りを爆発させてしまう。




1777年、ヴォルフガングは、故郷ザルツブルクを後に、
母親と旅にでる。

マンハイムで彼は貧しい下層階級のウェーバー一家と出会う。

ウェーバー夫妻は、この若い作曲家から金を巻き上げようと画策、
娘のひとりアロイズィアが一目惚れされたのをいいことに、
寄生虫のようにつきまとうのだった。




しかし、パリに移ったヴォルフガングは芽が出ることなく、
金を使い果たした上に、母を病気で亡くしてしまう。




失意のままザルツブルクに戻ったヴォルフガングは、
劇作家でありプロデューサーのシカネーダーと知り合い、意気投合する。

ふたりは、「いつか大衆が喜ぶオペラを作ろう」
と約束を交わす。

コロレドに反抗したままのヴォルフガングに、
まともな仕事があるはずもなく、
父と姉ナンネールの心配はつのるばかり。

そこに、ヴォルフガングの良き理解者、
ヴァルトシュテッテン男爵夫人が現れ、ウィーンに行くよう勧めるのだった。




父と姉の元を離れ、ヴォルフガングはウィーンに移り住む。

そこでウェーバー一家と再会した彼は、
コンスタンツェとの愛情を深めてゆく。

しかし、ここでもコロレドの謀略に遭う彼は、
演奏の機会をことごとく絶たれてしまうのだった。




ヴォルフガングは、再びコロレドと対決。
彼らの間は決定的に分裂するのだった。

1781年、モーツァルトの音楽は、
ウィーンの社交界で話題を呼んでいた。

コンスタンツェとも結婚、仕事も精力的にこなし、
遊び仲間も増えた。

そんな環境の中、ヴォルフガングには
故郷に残してきた父と姉の存在がどんどんと薄くなっていった。

そして妻は、
夜になるとひとりダンス・パーティーに出かけるようになり、
夫婦の間に陰りが見え始める。




一方、ヴォルフガンフの名声は増すばかりで、皇帝の御前演奏会、
そしてオペラ『フィガロの結婚』も大成功。

だが、わざわざウィーンにまでやってきたレオポルトは、
息子の中におごりと高ぶりを感じ取る。

心痛のあまり苦言を吐くが、息子は聞き入れようともしない。

お互いに心を通い合わせることなく、
レオポルトはウィーンを後にするのだった。




そして、コンスタンツェも、
ヴォルフガングと心の距離を感じていた・・・。




そんな時、シカネーダーとのオペラ『魔笛』が成功。

ヴォルフガングの前に謎の人物が現れ、
『レクイエム』の作曲を依頼するのだった。